2015-02-23

火祭りの始まりと変なスピーチ

バレンシアでは昨日、スペイン3大祭りの一つ《火祭り》の始まりを告げるイベント《クリダ》が行われた。

大勢のバレンシア民族衣装に着飾った《ファジェラス》の中心に、いつもの様にバレンシア市長リタ・バルベラ氏の姿があった。

この市長、なんと1991年からバレンシアの市長を務めている。ポプラル党の彼女が24年間もバレンシアの市長として君臨できたのは、バレンシアが圧倒的にポプラル党支持者が多いからだ。

その彼女が昨日《クリダ》に於いてバレンシア語でスピーチをした。

だが、それはあまりにもひどいバレンシア語だったのだ。

間違ったバレンシア語にカステジャーノ(一般的なスペイン語)が混じり、もっとひどいことには勝手に新しいバレンシア語まで作ってのスピーチとなった。

今日はバレンシアでは、いやスペインではこの話題でやけに盛り上がりを見せている。既に幾つものパロディーがYou tubeにアップロードされている。

それにしてもどうしてちゃんと話せないバレンシア語でスピーチしたのだろうか。スペイン語で十分ではなかったのか。と疑問が残る。

内容がこれまた変!ただただお祭りとその場に詰め掛けたバレンシアの人たちの熱気に酔った、勢い任せて口から出たスピーチに過ぎない。何ともお粗末!

そんな市長の横で、《ファジェラス》たちはちょっとした戸惑いと笑いを隠せないようだった。



近年彼女にも汚職スキャンダルが浮上しているなか、昨日のスピーチを聞いて5月に控えた今年の市長選挙がもっと危うくなった気がした。

2015-02-22

未来の厚生大臣候補

先日久しぶりに医者に行った。私は勿論、診察料が無料の公的保険の効く医療センターに行く。

公的保険の効く公共の施設は、無料ということもあって、私がスペインに来た頃から、いつも賑わっている。そして非常に賑わっているので、診察の予約をとっても2、3日後か、ひどい時は一週間先の診察日の予約が取れる。

という訳で、幸いにも私は至って元気なので、稀にある高熱が出るような風邪であっても治りかけに診察を受けることになるので、大抵市販の薬と自力で治す。

そういった医療センターは高齢者に大変人気がある。高齢者は、もう一体それが医療施設なのかそれとも老人ホームのロビーなのか分からないぐらい、楽しそうにお喋りしながら自分の番が来るのを待っている。

そして彼らは診察室に入ると、なかなか出てこない。大体15分で4人を診るように予約設定されてあるのに、一人に30分から一時間もかかるのが普通だ。

更に最近の医療予算カットで人材も減り、医療センターの事態はもっと悪化している。

一つだけ良くなったのはいつも行くセンターのドアが自動ドアになったことぐらいだ。

photo credit:
<a href="http://www.flickr.com/photos/45783535@N05/6235147418">
Primera etapa Hospital del Día del IESS</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a>
<a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/">(license)</a>

さて、先日久しぶりに医者に行ったのは、いつも飲んでいる薬の処方箋を出してもらうためだった。その薬は処方箋がないと薬局では買えない。

いつもは幾分空いている午後の予約を取るのだが、なんと2週間先の診察日になるというので、嫌々ながら朝に予約を入れた。それでも予約を入れてから3日後の診察となった。

万が一の為に、少し時間より早く行く。私の予約時間は12時15分。12時前には診察室の前のイスに……。いっぱいで座るイスもない!ちょっと離れた別の診察室の前のイスで待つことにした。

すると、私の担当医の診察室の前で、患者同士が大きい声で話しているのが聞こえてきた。

話を聞いていると、どうやら12時の時点で、10時15分の予約の人が診て貰っているというのだ。

しばらく待っても、なかなか次の患者の番が来るわけでもなく、私は郵便局に行ったり、買い物に行ったりと用事を済ませた。

そして戻ってみると、まだ私の前に10人ほどの患者が!ようやく私は2時間半待ちで診察室に入れた。

3分もかからない処方箋を出してもらう為に。

以前、息子が提案した素晴らしいアイデアを思い出した。

スペインでは14歳までは小児科で診て貰える。それ以後は大人扱いとなる。従って今では彼もまた、長引く高齢者の診察の犠牲者の一人なのだ。

そんな彼がある日医療センターから待ち疲れて帰ってきた時にこう言った。

14歳までには小児科があるように、高齢者には高齢者科を設けるべきだと。






2015-02-18

目が釘付けになってしまったステッカー

今日は朝から、信じられないステッカーを付けた一台の車を発見!目を疑った!

一体どこで手に入れたのか? 桜の花の絵の上にこんな2つの漢字が!

合格
photo credit:
<a href="http://www.flickr.com/photos/54217251@N05/15090542426">
必勝 合格</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a>
 <a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/">(license)</a>


季節がら、何ともピッタリのステッカー。しかし日本でなくスペインでお目にかかるとは… 

親日家な運転手の粋な計らい!だったのだろうか……


2015-02-16

冬のあっけない終わり方。私の場合

photo credit:
<a href="http://www.flickr.com/photos/34141375@N03/6911406077">
Olinda Carnaval 2012</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a>
 <a href="https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/">(license)</a>
寒さも和らいだと思ったら、もう既にカーニバルが各地で行われる時期になっていた。

早いもので、カーニバルが始まると、気の早いバレンシアでは、3月中旬に始まる《火祭り》の人形の展示会が開かれ、もう既に街にはライトアップ用のライトの設置が進められているようだ。

そうして3月前から盛り上がりを見せ、3月は1日から市役所前広場で連日《マスクレタ》のイベントが行われる。

そして《火祭り》が終わると、息子と、今ブラジルに住む息子の幼稚園からの友達の誕生日。彼等はあのフェルナンド・トーレスと同じ日に生まれたのだ。

それが済むと、サマータイムに入り、これまで以上に夜が長くなる。

そう思っているとすぐ、今年は4月の上旬にイースターが始まる。

その頃には太陽も強く輝き、初夏を待ち望む日が到来。そうなれば、もう夏が来たのと同じようなものだ。

2月の中旬なのに、もう既に今年の夏休みのことを考える余裕な私。

カーニバルが始まるとスペインではこうして冬はあっけなく終わりを迎えるのでした。気分的に。


頼むよ~、スペイン人!

5月の末に地方選挙を控えたスペイン。地方選に向け各党が今候補者選択に力を注いでいる。

テレビでは各党が、他党の悪口や現実味のない政策を披露し、有権者に訴えかけるのだが、誰も彼もが同じように見えるのは私がスペインに於いて有権者でないからだろうか。

これまで何度かブログで紹介した、新鮮さが売り物だった立党1年の《ポデモス党》も、先月ポデモス党ナンバー3の税金問題がスクープされた。しかし、このスクープで支持率が減ったというわけでもない。現在のところポプラル党に次ぐ第2政党としての位置をキープしている。

先日、スペイン2大政党《ポプラル党》と《スペイン社会労働党=PSOE党》、それに加え、今では《ポプラル党》を脅かし《PSOE党》を抜く政党となった急成長の《ポデモス党》が、各党の政策を披露する番組が放送されていた。

番組は途中から見たので、一体誰が?代表として抜擢された各党の人間を選んだのかは知らないが、《ポプラル党》以外の代表者らはテレビに不慣れなのか何なのか(一人はよくテレビに出ているくせに)、緊張しまくってぎこちなく、チャンスを逃してしまったように見えた。

《ポプラル党》はと言うと、納得いくいかないは別問題として、大変上手に党の政策を披露したのであった。他者2人があまりにも素人のようにあがってしまっていたので、まるでうまく言い込める《詐欺師》のようにも映った。

photo credit:
<a href="http://www.flickr.com/photos/61423903@N06/8076635893">
Ballot box</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a>
<a href="https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/">(license)</a>

多くのスペイン人と同じように税金を納め、多くのスペイン人と同じように法律に従う私は、教育、医療システム、労働条件、年金等々の実生活に対して何一つ発言力がない。私は将来を政党にではなく、スペイン国民に託さなくてはならないのだ。

頼むよ~、スペイン人!


2015-02-13

遅すぎる放送時間!

photo credit:
 <a href="http://www.flickr.com/photos/50862146@N02/8509054005">
@limeevo</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a>
<a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/">(license)</a>
先週スペイン各地を襲った記録的な豪雪でも分かるように、2月に入って本格的な冬を迎えた。

寒さも厳しかったので、きっと日本に居たならばコタツ人生を送っていただろうと想像しながら、家事にも、料理にも、何もかもに「寒いから」という理由を付けて、なるべく動かない生活を送っていた。

そしてブログも同じ理由からサボっていると、気が付くと明日はもう14日、《バレンタイン・デー》になってしまっていた!

とは言え、《バレンタイン・デー》にチョコレート大作戦をするようなことも無い私のスペイン生活。気分だけはと、明日チョコレートケーキでも作ってみようと考えている、寒くなければ……


実は今年は私にとって、明日の《バレンタイン・デー》よりも次の15日のほうがず~っと楽しみなのだ♪

何故なら、《NBAオールスターゲーム》が開催されるからだ。

私はバスケットファンではないが、今年はあのパウ・ガソル選手と弟のマーク・ガソル選手が、それぞれイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスに分かれて試合に挑む。

兄弟揃ってスタメンとして活躍するのは、《NBAオールスターゲーム》史上初めてのことだ。

残念ながら試合はスペイン時間の夜中の2時半とライブ放送時間が遅すぎる!! 再放送を見ることになるだろう……







2015-02-01

変化の欲しいスペイン その2

6年前、アメリカで《オバマ大統領》が誕生した。その同時の彼のスローガンは“YES, WE CAN”

現在のオバマ大統領への支持率急落とは裏腹に、同時はアメリカ、否世界中が彼が起こそうとしていた革命に期待を寄せた。

photo credit:
<a href="https://www.flickr.com/photos/vicentenadal/16183996080/">
Vicente Nadal - Fotógrafo</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a>
 <a href="http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/2.0/">cc</a>
6年後、舞台はスペインへと移る。

昨日《ポデモス党》が主催した《政治的変化》を求める大行進がマドリッドで行われた。

スペイン全土から駆け付けた人々。300台ものバスが地方からこの日のために駆け付けた。その数、30万人にも及んだらしい。(警察の発表では10万人)そして“SÍ, SE PUEDE”をスローガンに、彼らはそれぞれの思いを胸に2015年に行われる地域選挙、総選挙への期待と《政治的変化》を訴えた。

昨年末から、特にここ1、2週間は《ポデモス党》内の代表者レベルのスキャンダルが報道される等して、《変化の大行進》に影響があるかとも思われたが、国民はそれを誰かが仕組んだスキャンダルととるか、ポデモス党の裏切り行為と見るかの判決を昨日下したのだった。

確かに2014年は経済成長が1.4%増、失業率も減り、クライシスを乗り越える為に採った緊縮経済策が実り始めたかのように見える。また、2015年はそれ以上の経済成長が期待される中でのこの《変化の大行進》がクライシスによる緊縮経済策が取り入れられた2011年、2012年に行われた大規模なデモと同じような規模だったことを考えると、どれだけ多くの国民が現政権への不満と不信を未だに抱いているかがよくに分かる。

緊縮政策の為に採られた政策が、医療の面でも教育の面でも未だに改善されていない。それどころか悪化しているのが現状だ。

汚職に関して言うならば、国民のお金を平気な顔で使って私腹を肥やし、タックスパラダイスに計り知れない程の財産を溜め込んだ政治家や優遇された地位に立つ人間が、今尚裁かれることなく、証拠隠滅や有力な弁護士の下で法の手から逃れている。

僅かながらではあるが、既に裁かれた者、また裁かれるのを待っている者もいる。しかしながら、政権を握る立場の人間も疑惑が持たれているから性質が悪い。にも拘らず、彼らは大きな顔をして国民の為に働いている様な芝居をする。

やっぱり何かがおかしい。

フランコ独裁政権後、1978年民主化の道を歩みことになったスペインが、その後37年間に培ってきたものは一体何だったのか?

もう一つ付け加えるならば、ただならぬ旋風を巻き起こしている《ポデモス党》が、政治経験も無く、政策案にもある意味で現実性に薄いにも拘らず、国民からの多大なる支持を得ているのを見ると、もうこれしかないの?と言わざるを得ない状況にまで追い込んでしまったスペイン政界への失望が見えてくる。