2019-01-28

スト真っ只中に遠足

UberやCabifyに対するマドリッドのタクシー無期限ストは、今日で8日目に入る。

バイオレンスを伴う抗議、8名のタクシードライバーによるハンスト、マドリッドの主要道路の閉鎖に加え、今日はスペイン各地から同僚のタクシーが応援に駆け付けた。


抗議ストでは『ハイヤーへの規制』を呼びかけているが、配車アプリという新しいサービスに需要が移りつつある今、規制だけでは将来的にタクシーが生き残れる可能性は少ないだろう。

そもそも、これまでのタクシーはライバルなしの独占業界。2009年にハイヤーの営業が自由化するも、当時はまだまだ余裕が見られた。

しかし、2011年にCabify、2014年にUberが、それぞれ配車アプリと共にスペインにやって来た。これはタクシーにとって、初めての現実味を帯びたライバル登場となったのだ。

今や世界はインターネットでつながり、情報は誰とでも瞬時に共有できる。ビジネスの変化に敏感になっていても、独占的な立場の者はその変化に気が付かないことがある。

今後AIの導入で自動運転のタクシーや無人ハイヤーが私たちをいろんな所に運んでくれるようになるだろう。

さらなるビジネスの変化が予想される中、今日のタクシーは明日の私、あなたになりうるのである。

一方、政府の政策に問題があることは疑う余地もない。支持率を上げるためなら手段を選ばず、将来的な見地から何かを提案することなどほとんどない。ただその場しのぎの見た目の良い政策だけが、彼らにとって最優先されるべきものなのである。


さて、そんなストの最中、息子は学校からの遠足でマドリッドへ行った。バスで行ったが、果たして無地に目的地に着いたのだろうか?(ちょっと、心配😒)




2019-01-26

転落事故 ~奇跡の終わりと悲しみのはじまり~

マラガ郊外で起きた幼児の転落事故は、事故発生から13日後に悲しい結果を迎えた。

300名余りが一丸となり進められてきた救出作戦は、本日未明Julen君の遺体発見と共に終止符が打たれたのだ。

司法解剖の結果は発表されないが、発見された状況から想定すると、71メートルまでほとんど自由落下したと思われる。

偶然が積み重なった困難極まる救出作業は、山の無情さも加わり、あれやこれやと挑戦状を突き付けるかのように救出活動を阻んだ。

偶然は不可能を生み出し、奇跡になることもあれば、今回のように残酷な結果を招くこともある。

しかしJulen君のご両親・ご家族をはじめ、作業に携わったすべての人、事故現場の村人達、Julen君を知る人々、あるいは祈る思いで救出の行方を追ったスペイン中の人々、誰が奇跡を信じずしてこの13日間を過ごせただろうか?


D.E.P

2019-01-25

あと2メートル!

Julen君の転落事故をブログに書いたのは、1週間ほど前のこと。ようやくJulen君の救出方法が具体化し、数日後には無事に彼が閉じ込められている空洞にアクセスできる予定だった。

しかし、予期せぬ地質上の問題や難度の高すぎる掘削作業など、さまざまな障害が行く手を塞ぐ。

事故から既に12日。

現在は救出の最終段階に入り、炭鉱専門のレスキュー隊が手作業で掘削を続けている。



昨日の夕刻から始められた4メートルほどの掘削作業は、空洞まであと2メートル弱の所まで近づいた。


驚異的な生命力を信じたい!

2019-01-17

con la esperanza

1月13日の日曜日。晴天に恵まれたこの日、マラガ郊外の村でパエージャを楽しもうと子ども連れの家族が集まった。

しかし、子どものひとりが井戸用に掘られた穴(地下水が見つからず、現在は使用されていない井戸穴)に転落するという、思いもよらない事故が起こったのだ。

穴の深さは約110m。そして直径は25㎝と非常に狭い。


ただ転落したJulen君はわずか2歳。幼い子どもの体格ならすっぽり入ってしまう危険に満ちた穴でもある。

小型カメラが穴に入ったが、約70m付近で土の壁にぶつかる。この土はJulen君が落下する際に発生したと推測され、その下の空洞に彼が閉じ込められていると思われるのだ。

本日、カメラの映像がテレビで放送されたが、言葉にならないほどの恐ろしさに胸がつぶされるような思いだった。普段のブログ記事なら、ここでその映像を引用するところだが、今回は控えさせてもらう。


 事故の発生から、消防・警察をはじめ、炭鉱のスペシャリストなどによる懸命の救出活動が、昼夜問わず続いている。

世界でも前例を見ない救出は、最初の作戦から2転3転し、土地の構造や土の性質などもさらなる困難の要因となっているようだ。



現時点で最も有力視されているのは、Julen君が落下した穴を挟むようにして平行にトンネルを2つ掘り下げ、彼のいる空洞へ通じる横穴を両方から掘る作戦だ。

掘削や重機による振動で、穴が崩壊してしまう危険性もあるため、横穴にいたっては手作業で行われる。

暗闇の中で身動きもできず閉じ込められた幼い命にとって、時間は無に等しい。
為す術もなく、耐える術もないご両親にとっては、残酷にも光の如く時が過ぎてゆく。


Julen君が無事救出されることを願ってやまない。