2025-11-30

バタークリームな夜

深夜の町 家路を急ぐ

人影もなくひっそりとしたいつもの町並みは

シンッとする寒さと

けっこう仲が良い



クリスマスが近づく季節なのに

きらめく星空はどこに行ってしまったのだろう

澄み切った深夜の空気の上には

静かすぎる真っ暗な宇宙が広がり

星は数えられるほど



先ほどまで私を魅了していた

クリスマスのイルミネーションや平和な人混みは

家に近づくたびに 背後に遠のいて行く



そして

いま私の目の前にあるのは

オレンジ色の街灯に照らされた家々

車の行き来のない中

無意味にもきれいに灯っている信号の赤や緑のランプ



それらは まるで

安っぽいクリスマスツリーの

昭和的なクリスマスツリーの

色とりどりにチカチカ光る

ギザギザしたイルミネーションライトのようで


町全体が懐かしく

夜露をまとって

胸に染みるように輝き始めた



あー、こんな夜は

白っぽい黄色の

口溶けのあまりよろしくないバタークリームで覆われた

あのクリスマスケーキが食べたい




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