過半数が得られそうにない中、国会では各党が答弁を繰り返すが全くバラエティー番組でも見ているかの如く面白い。
各党は罵り合い、さまざまな形容詞が飛び交う。聞いていると結構勉強にもなる。
スペイン人は一般的にジェスチャーや顔の表現が豊かだ。それは政治家も同じで、言葉が分からなくても何が言いたいかはっきり分かるぐらい大袈裟だ。また今日は党員同士のキスまで登場した。
Menos insultos y más besos pide en este vídeo @Pablo_Iglesias_ 😚😚😚 https://t.co/jEjPxiy4zB— Cuatro (@cuatro) 2 de marzo de 2016
どの党も譲らず、どの党も国民の支持が十分に得られない。国民もまたこれまでの政治体制を変えたいとの思いがありながらも、100%支持できる党に出会えていないと言えそうだ。
☆12月の選挙後の簡単なこれまでの経緯
現在新内閣を発足させようと試みたいるのはPSOE党(中道左派)だ。この党は選挙で第2の支持率を得ている。
支持率の一番多かったポプラル党(中道右派)は過半数には至らず、連立を念頭においた話し合いが他党と進められた。彼らは過半数を獲得するには第4勢力となった同じ中道右派のシウダダーノス党と、全く政治理念の違うPSOE党の票を期待していたのであるが、再三にわたってPSOE党はそれを拒否した為、連立に向けての匙を投げる形となった。
このポプラル党の姿勢を受け、PSOE党は再度新政権発足に動き出した。彼らが過半数を獲得するには、左派との連立政権が妥当と考えるのが一般的な予想であった。それにはどうしてもちょっと過激な左派であるポデモス党と手を組む必要があった。またそれでも過半数には至らず、カタルーニャの独立を訴える左派ERCなどの支持も必要だった。
話し合いは折り合いを見せず、PSOE党はで左派グループとの話し合いを進める一方、中道右派であるシウダダーノス党とも協議が持たれた。シウダダーノス党は最初からポプラル党、PSOE党、どちらにも好意的な姿勢をとっていた為、最終的にPSOE党を協定を結ぶことになる。
しかしこの2党の協定は実に無意味なのである。
協定を結んだ2党はどちらも政治体制改革を目指すものであるのだが……
PSOE党は過半数獲得の為、PSOE党、シウダダーノス党、ポデモス党での連立を考えている。
一方シウダダーノス党は、同党、PSOE党、ポプラル党の連立を希望している。
更に、シウダダーノス党は、ポデモス党が連立に入るなら彼らは連立から退くとの見解をしており、それはポデモス党も同じであった。またPSOE党もポプラル党との連立はありえないと公言している。
それならば、なぜこの両党は手を組んだのか?
このままではベルギーの1年以上続いた政治空白を上回るかもしれない!