2017-09-29

カタルーニャ・レファレンダムをめぐる衝突

学生・教育組合・教会関係・弁護士団・消防署・芸術家など、各界でレファレンダム支持が表明されている中、本日カタルーニャ州政府からレファレンダムに使用される投票箱が紹介された。


アリババで購入されたと思われるプラスチック製の投票箱。
 日曜日に投票を控えているものの、未だにどこに保管されているのか、どのように設置されるかも分からない。

また投票が行われると予想される学校では独立賛成派の保護者が中心となり、日曜日の投票日までさまざまな泊まり込みのイベントが予定されている。
投票会場の閉鎖を防ごうという考えだ。

一見すると団結しているように見えるが、実際には「イベントに参加しないと周りから白い目で見られる」、「子どもが仲間外れにされる」といった切実な声もあるようだ。
友人同士・家族同士であっても意見が食い違うこともあり、なるべく10月1日の話は控えようとする人たちもいる。

この時期に偶然にも旅行を予定していた観光客は、ガイドブックには載っていないバルセロナを体験していることだろう。

そんなカタルーニャ愛国心が高まる町では、スペイン政府の手先のように思われがちな警察への嫌がらせも多発している。
中でも国家の治安警察≪Guardia civil≫は、先日ラジカル派によって車が壊されるなどの被害を受けた。


まったく顔を見せない政府の代わりに、任務を遂行する彼らの中には、スペイン政府に文句を言う人間も出てきている。
例えば、レファレンダムのために増員された警察がそうだ。
彼らのために用意された宿泊先は、なんと人気キャラ≪トゥイティー≫が大きく描かれている客船!



ビデオで紹介されているような簡易ベッドが4つあるキャビンに大人が4人、おまけに窓もない状況では文句の一つも言いたくなるだろう。

しかし警察の負担はこれだけではない。
カタルーニャ自治警察もまた、スペイン政府・カタルーニャ政府、それぞれ全く正反対の指示に板挟みされている状態だ。


ところでここ数日、スペインの国旗がベランダなどに飾られているのが目に付くようになった。
これは多くのカタルーニャ州以外の都市で起こっている現象なのだそうだ。

カタルーニャ・レファレンダムをめぐり、政治的に振り回されるカタルーニャ州民の間にできた深い溝。
そして以前から存在していたスペインとカタルーニャの溝も、政治的対立によってまた新たな深まりを見せはじめた。


2017-09-24

どうなるカタルーニャのレファレンダム?

カタルーニャ独立をめぐるレファレンダムを1週間後に控え、さらなるカタルーニャ政府とスペイン政府の対立が市民の緊張を高めている。

政府はレファレンダムを阻止すべく、警察1万人をカタルーニャに増員すると発表。
また、カタルーニャ自治警察「Mossos d'esquadra」をスペイン政府のコントロール下に置こうとしているようだ。

投票日が近ずくにつれ、カタルーニャ各都市でデモや集会が開かれ、一部の公立学校では子どもたちがそのような場所に参加することを進めている。
スペイン政府が圧力をかければかけるほど、カタルーニャの人々は声をあげて訴える
「カタルーニャの将来は自分たちに決めさせてくれ!」と。


そもそもカタルーニャの問題は政治レベルで解決されるべきものだ。
しかし、カタルーニャ政府は少しばかり強硬でヴィクティム的感情を込めて、住民を駆り立てる。
一方のスペイン政府は臆病にしか見えないその場しのぎの圧力で、住民を挑発する。
双方の政府に踊らされ、はやし立てられるカタルーニャの人々。
もはや政治的レベルとは全くかけ離れた次元で、この問題は進行しているように見える。

ふと、こんなことが頭に浮かんだ。
実はそれぞれの政府はこの問題を大きく取り上げることで、ほかに抱えている重大な問題・事件を隠そうとしているのではないか…と。

いずれにせよ、今回のレファレンダムはあまりにもお粗末だ。
両政府の力比べにすぎない、市民を巻沿いにした幼稚すぎる対立。
テレビで連日報道されるが、他州のスペイン人にとっては他人事のようなとことがある。

カタルーニャの人々をここまで駆り立てた今となっては、もうレファレンダムが一番妥当で公平な解決策に思えてならない。
そうでなければ独立賛成派の声と同様に、反対派の声が活かされることがないからだ。
しかしそのためには、両政府がしっかり話し合い合法のもとに行われる必要がある。

2017-09-15

≪カタルーニャ独立レファレンダム≫結果が意味するものって何?

カタルーニャ独立に関するれふぁれんはもうすぐそこ、10月1日に迫っている。
もうここまでくれば止まれないとばかりに、少し支離滅裂的なところも感じさせるカタルーニャ州政府の暴走。
その一方で、なにがなんでも阻止しようとするスペイン政府の条件反射のような対応も滑稽だ。

一昔前ならばカタルーニャを代表する政党は、歴代スペイン政府と独立・分裂を武器にさまざまな駆け引きをしてきたものだ。
しかし現在は、政治的な武器は効力を失い、カタルーニャ州民の手前、だたただ現実として生き延びることしか許されなかったような気がする。

個人的には、私は独立に関するレファレンダムはアリだと思う。

彼らの歴史・文化の尊重はもちろんのこと、スペインの一部であることは経済的に優等生であるカタルーニャにはデメリットが多いと言われる。

でも今は違うでしょ!というのが正直なところだ。

世論調査では独立賛成・反対は五分五分と予想される。
あくまでも予想にすぎない!

反対派は投票に挑まず、警察へも投票を阻止するよう指示が出された。
投票用紙も公式サイトからのダウンロード、反対派が市長のところは投票会場も危うい。
つまり今のままでは正式な結果が得られないということだ。

そんな条件で得られた結果に何の意味があるだろうか?
どっちつかずで、結局一番避けたいカタルーニャ内の亀裂を深めるだけではないだろうか。