先日久しぶりに医者に行った。私は勿論、診察料が無料の公的保険の効く医療センターに行く。
公的保険の効く公共の施設は、無料ということもあって、私がスペインに来た頃から、いつも賑わっている。そして非常に賑わっているので、診察の予約をとっても2、3日後か、ひどい時は一週間先の診察日の予約が取れる。
という訳で、幸いにも私は至って元気なので、稀にある高熱が出るような風邪であっても治りかけに診察を受けることになるので、大抵市販の薬と自力で治す。
そういった医療センターは高齢者に大変人気がある。高齢者は、もう一体それが医療施設なのかそれとも老人ホームのロビーなのか分からないぐらい、楽しそうにお喋りしながら自分の番が来るのを待っている。
そして彼らは診察室に入ると、なかなか出てこない。大体15分で4人を診るように予約設定されてあるのに、一人に30分から一時間もかかるのが普通だ。
更に最近の医療予算カットで人材も減り、医療センターの事態はもっと悪化している。
一つだけ良くなったのはいつも行くセンターのドアが自動ドアになったことぐらいだ。
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photo credit: <a href="http://www.flickr.com/photos/45783535@N05/6235147418"> Primera etapa Hospital del Día del IESS</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a> <a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/">(license)</a> |
さて、先日久しぶりに医者に行ったのは、いつも飲んでいる薬の処方箋を出してもらうためだった。その薬は処方箋がないと薬局では買えない。
いつもは幾分空いている午後の予約を取るのだが、なんと2週間先の診察日になるというので、嫌々ながら朝に予約を入れた。それでも予約を入れてから3日後の診察となった。
万が一の為に、少し時間より早く行く。私の予約時間は12時15分。12時前には診察室の前のイスに……。いっぱいで座るイスもない!ちょっと離れた別の診察室の前のイスで待つことにした。
すると、私の担当医の診察室の前で、患者同士が大きい声で話しているのが聞こえてきた。
話を聞いていると、どうやら12時の時点で、10時15分の予約の人が診て貰っているというのだ。
しばらく待っても、なかなか次の患者の番が来るわけでもなく、私は郵便局に行ったり、買い物に行ったりと用事を済ませた。
そして戻ってみると、まだ私の前に10人ほどの患者が!ようやく私は2時間半待ちで診察室に入れた。
3分もかからない処方箋を出してもらう為に。
以前、息子が提案した素晴らしいアイデアを思い出した。
スペインでは14歳までは小児科で診て貰える。それ以後は大人扱いとなる。従って今では彼もまた、長引く高齢者の診察の犠牲者の一人なのだ。
そんな彼がある日医療センターから待ち疲れて帰ってきた時にこう言った。
14歳までには小児科があるように、高齢者には高齢者科を設けるべきだと。