2015-02-01

変化の欲しいスペイン その2

6年前、アメリカで《オバマ大統領》が誕生した。その同時の彼のスローガンは“YES, WE CAN”

現在のオバマ大統領への支持率急落とは裏腹に、同時はアメリカ、否世界中が彼が起こそうとしていた革命に期待を寄せた。

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6年後、舞台はスペインへと移る。

昨日《ポデモス党》が主催した《政治的変化》を求める大行進がマドリッドで行われた。

スペイン全土から駆け付けた人々。300台ものバスが地方からこの日のために駆け付けた。その数、30万人にも及んだらしい。(警察の発表では10万人)そして“SÍ, SE PUEDE”をスローガンに、彼らはそれぞれの思いを胸に2015年に行われる地域選挙、総選挙への期待と《政治的変化》を訴えた。

昨年末から、特にここ1、2週間は《ポデモス党》内の代表者レベルのスキャンダルが報道される等して、《変化の大行進》に影響があるかとも思われたが、国民はそれを誰かが仕組んだスキャンダルととるか、ポデモス党の裏切り行為と見るかの判決を昨日下したのだった。

確かに2014年は経済成長が1.4%増、失業率も減り、クライシスを乗り越える為に採った緊縮経済策が実り始めたかのように見える。また、2015年はそれ以上の経済成長が期待される中でのこの《変化の大行進》がクライシスによる緊縮経済策が取り入れられた2011年、2012年に行われた大規模なデモと同じような規模だったことを考えると、どれだけ多くの国民が現政権への不満と不信を未だに抱いているかがよくに分かる。

緊縮政策の為に採られた政策が、医療の面でも教育の面でも未だに改善されていない。それどころか悪化しているのが現状だ。

汚職に関して言うならば、国民のお金を平気な顔で使って私腹を肥やし、タックスパラダイスに計り知れない程の財産を溜め込んだ政治家や優遇された地位に立つ人間が、今尚裁かれることなく、証拠隠滅や有力な弁護士の下で法の手から逃れている。

僅かながらではあるが、既に裁かれた者、また裁かれるのを待っている者もいる。しかしながら、政権を握る立場の人間も疑惑が持たれているから性質が悪い。にも拘らず、彼らは大きな顔をして国民の為に働いている様な芝居をする。

やっぱり何かがおかしい。

フランコ独裁政権後、1978年民主化の道を歩みことになったスペインが、その後37年間に培ってきたものは一体何だったのか?

もう一つ付け加えるならば、ただならぬ旋風を巻き起こしている《ポデモス党》が、政治経験も無く、政策案にもある意味で現実性に薄いにも拘らず、国民からの多大なる支持を得ているのを見ると、もうこれしかないの?と言わざるを得ない状況にまで追い込んでしまったスペイン政界への失望が見えてくる。





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