幸いにも大した用件で行くことが殆どないため、簡単な問診(診察は殆ど受けたことがありません)と処方箋だけで終わってしまう。とは言え、予約を入れても大抵1時間以上は待たされる。全く割が合わない。
待ち時間からするともっと凄い病気でもいいのでは?反対に私のような用件なら待ち時間5分がいいとこでしょう?
そして今日も処方箋1つのために覚悟を決めて診療所へ。
診療所はいつものようにスペインらしく賑わっている。
病人らしい人が症状を隣りに座った他人に訴えている。元気そうに見える老人は医療機関の悪口を。妊婦さんは隣の主婦に、育児についてのアドバイスを聞かされている。診察室のドアの横では、待ち時間の長さにウンザリしている他人同士が、プライベートな話で盛り上がっている。
そして話をしていない人は携帯をいじっていることが多いのだが、その携帯のボリュームが尋常でない!
そもそもスペイン人は携帯のボリュームに関してのモラルが日本人とは全く違う。
やたらと音がでかい!
そんなことではもう驚かなくなってしまった私なのだが、それでもビックリされる出来事が起こったのだ。
泣いている赤ちゃんにしたママの行動
私が座っていた横にはベビーカーに赤ちゃんを乗せたママが携帯でお話し中。しかし赤ちゃんは退屈のあまり泣き出してしまった。ママは直ぐに携帯を切ったのだが…
そのママ、携帯で子どもに動画を見せはじめた。それも普通の、家庭で見るテレビと同じような音量で。殆ど待合室の私物化。
それだけでもビックリだが、それに対して不快な感じを受けている人、注意する人がいないことも驚きだった。
みんな全く気になる様子もなく、同じように話し込んでいる。
私:さすが!スペイン人。何という集中力!
不思議すぎるお婆ちゃん
そんなこんなでようやくママと赤ちゃんは診察室へと入って行った。次に私の横に座ったのは白髪の、ジャージにスニーカー姿のお婆ちゃん。
彼女は携帯を手にするやいなや、手を軽く上げたり、頭を斜めに動かしたり。
私:『えっ!こんなところで自撮り!?』『わっ!ヤバ。変な人。話しかけられたらちょっとややこしいかも』
横目で警戒しながら携帯画面をチラッと見ると、人が写っている。誰かとビデオ通話をしているようだ。それにしてもジェスチャーが凄すぎる!
私:『もしかしてこのお婆ちゃん、或いは相手がろうあ者なのでは?』と考えてもみた。
でも、手話なら両手が必要。お婆ちゃんは片手と頭の動きだけで何かを伝えているようだ。そして携帯からは相手の声が普通に聞こえてくる。
一通り会話(?)が済むと、お婆ちゃんは私の隣りから日の当たる席に移った。
すると隣にいた人に「今日はいつもの先生がいるのか?」、「私は○○時から待っている」など普通に話している。
じゃあ、あの大げさなジェスチャーは何!必要あった?お婆ちゃん流携帯モラル?
まったくもって、診療所は今日もスペインらしかった。
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