2018-06-17

ソリダリティVSマーケティング

600名以上の難民を乗せた3隻の船が、今朝早くバレンシア港に入港した。先日ブログで紹介した"Aquarius"船の難民者達だ。

2000名を超えるスタッフが待ち構え、世界各国からメディアやカメラマンが駆け付けた。

彼らは今後45日間の特別滞在許可が許され、ケースバイケースでそれぞれの行き先が決定する。もちろん送還される人も出るだろう。

スペイン各地で歓迎的な受け入れ態勢が進む中、フランスも希望者への入国許可を発表した。

欧米の主要メディアでヒーロー的に扱われるスペイン政府の勇気ある決断。バレンシアも2008~2012年まで続いたF1以来の世界的注目を集めている。

しかるべき対応とスペイン人らしい歓迎ムード。

しかし…、

アンダルシアをはじめとしたスペイン南部では、毎日のように"Aquarius"が到着している。先週は48時間内に、なんと1000名近い難民が救出された。彼らも今日バレンシア港に到着した難民と同じ対応が必要だ。

そして、今一度イタリアやマルタ島の取った入港禁止を考え直すとき…、

もし彼らがこれまでのように受け入れ続けていたならば、"Aquarius"難民問題がここまで取り沙汰されることは皆無だっただろうし、イタリアとマルタ島がヒーローになることもなかっただろう。


残念ながら人道的な対応は、一方どこか打算的な面を持っているものだと痛感せざるを得ない結果となった。




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