2018-06-11

スペイン政府の勇気ある決断

地中海に、最終目的地を知らない一隻の船が浮かんでいる。

  • 付き添いのない子ども:123名(11名は幼児)
  • 妊婦゙:7名

を含む、計629名の難民を乗せたフランスNGO・SOS MEDITERRANEEの『Aquarius』船だ。


629名の命は、つい先日(9日・土曜日)地中海で救助されたばかり。

船は現在イタリアから35マイル(約56KM)、マルタ島からは27マイル(43.5KM)の位置に浮かんでいる。

しかし移民排外主義を掲げる右派政党メンバーを含む現イタリア連立政権は、イタリア全港への入港を禁止。そしてマルタ政権も同じ処置をとったのだ。

食料・飲み水も本日で底をつくとの報道がある中、
今朝、スペインが受け入れを発表した。

バルセロナ市長からの申し出もあったが、2日ほどかけて最終的にバレンシア港に入港する予定だ。

話は変わるが、スペインではイタリア新政権誕生とほぼ同じころ、不信任決議案可決後に新しいPSOE党(社会労働党)の政権が発足している。
17名の大臣のうち11名が女性大臣。科学・イノベーション・大学省大臣には、宇宙飛行士であるペドロ・デュケ氏が抜擢されるなど、何かと目新しい試みに挑戦しているようだ。

総選挙まで後2年。

PSOE党は前回の選挙では、党内の派閥問題などで大幅に議席を失っている。

不信任決議案が可決されたものの再総選挙の兆しもなく、さまざまな改革で残りの2年を
選挙PRに使うことだろう。

もっともこのようなPR作戦は国民を喜ばれるものが多い😙 
と勝手に期待している。


最後に話を難民に戻すと、残念なことに『Aquarius』船問題は、足並みの揃わないヨーロッパ諸国の難民問題のほんの一コマに過ぎない。

例えば、現在790名の難民者を乗せたイタリア沿岸警備隊の船が入港先を待っている。そしてリビア沖にもドイツのNGO船が救助のためにすでに待機しているのだ。


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