2018-04-29

#cuéntalo スペイン版#Me Too

日本を騒がせているTOKIO山口達也の強制わいせつ事件。先日アメリカでも黒人俳優・ビル・コスビー(80)に性的暴行罪の有罪判決が下されたばかりだ。

世界的な広がりを見せる「#Me Too」。セクハラから性的虐待、暴力まで、これまでタブーとしてひた隠しに沈黙を通してきた女性たちの声が、犯罪者たちを正当な裁きへと導いている。

しかし、そんな世間のムーブメントに逆行するかのような裁判判決が、今スペインで話題になっている。

事件は2016年、パンプローナ「サン・フェルミン祭り」で発生。5人の男性が強姦罪の容疑で逮捕された。被害者の女性(当時18歳)は強姦された上、数分ではあるもののビデオまで撮影された。

この裁判の大きな焦点は事件が強姦罪として取り扱われるのか、そとれともアビューズ・虐待として扱われるかである。

結論からいうと、性的虐待で9年の懲役と5年間の保護観察という判決が下され、強姦罪には問われなかった。強姦罪なら20年以上の懲役が科せられるケースが多い。

加害者たちは無罪・女性との合意のもとでの行為だったと主張している。

注目したいのは、被害者女性が
・事件の発生現場までは暴力的に連れていかれなかった
・行為に対して「NO!」と声を出さなかった
と証言していることだ。
事件前の女性の挑発的ともとれる発言や、口を手でふさがれていないにも関わらず声を出さなかったことなども明らかになっている。

しかし、
・現場までは暴力的ではなかったため、何が起こるか想像もつかなかった
・彼らが強制的な行動に移った変貌ぶりにショック状態に陥った←声を出せる精神状態ではなかったと判断できる
・恐怖のあまりどのように対処すべきか分からなかった
・パニック状態のまま早く終わることだけを願い、目を閉じていた
とも発言している。

つまりこの事件では、これまでの性的犯罪にありがちな被害者らしい態度ではなかった。そしてその違いが裁判官の判断に大きく影響したといえるだろう。

当然のことながら、判決後各地で大規模な抗議デモが繰り広げられ、警察や治安警察も下記のようなツイートしている。


市民の怒りはもとより、与党・野党を問わず政治家たちも判決への違和感を隠し切れない。法務大臣ラファエル・カタラ氏は今回の判決を尊重する一方、刑法の見直しや改正が必要なのでは?と公言している。

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