2015年、16年とユーロ圏で一番経済成長が期待されるスペイン。
そんな声があちこちで聞かれる中、スペインにとって最も嬉しいニュースが発表された。
2014年度の失業率が減ったのだ!2013年に引続き、2年連続減少となった。といっても、失業者の数は未だに何と!5,457,700人。パーセンテージにすると23.7%。
日本の失業率からすると話にもならない数字だが……
この数値の裏には、バブル時代にやって来た移民者の帰国や、何と言ってもスペイン人の求職の為の海外流出など、労働人口が減ったことも忘れてはならない。
また、労働条件の悪化も見逃すわけにはいかない。職に就いたと言えども、それはパートタイムや短期間限定労働であったり、或いは労働賃金問題などの改善すべき項目が山とある。
今回の2014年度失業率減少に大いに役に立ったのが、やはりスペインの観光業界ではないだろうか。
実はこちらも2年連続で海外からの観光客が増加と、記録を更新中である。去年は65,000,000人に近い海外からの観光客がスペインを訪れた。
しかしこれはこれで、2011年から続く《アラブの春》が生み出した不安定な治安状況などで、特にエジプト、チュニジアなどへの観光客が減り、スペインに流れ込んだと考えられる。スペインに訪れる観光客の3位までがイギリス、フランス、ドイツと比較的近いことから、これらの国から北アフリカへ足を伸ばすのを止め、スペインに行き先を変更したと考えるのが妥当な感じだ。
何はともあれ、数字に敏感な政府にとっては、今年の地方選挙、総選挙を踏まえてこの上ないアピール材料となったことは間違いない。
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