2018-11-25

スペインが生んだレジェンド

スペインが生んだF1のレジェンド。スペインではF1を知らない人でさえ、彼の名前は知っている。

「フェルナンド・アロンソ」

とてつもなく素朴でありながら、レース中に見せる闘争心は桁外れにスゴイ。

彼のレースはスマートで美しく痛快だ。
それはFIAのいかなる不透明な圧力にも負けない正義感に溢れていた。

わずかF1デビュー3年目にして、当時のフェラーリに、あのミハエル・シューマッハに勝利するという快挙をもって、彼は私たちの心を鷲掴みしてしまった。


そんな彼の最終レースが、惜しまれる声の中、本日アブダビGPで行われた。

現在のところF1への復帰は考えておらず、来シーズンは世界三大レースに集中する予定らしい。

世界を舞台に挑戦を続けるスペインのレジェンドを、私はいつまでも応援したい。



2018-10-28

カタルーニャの独立と中国マネー

カタルーニャ州の一方的な独立宣言から早1年。来年初頭にも当時の指導者や責任者たちの公判が始まる予定だ。彼らは反乱・横領・不服従などの罪に問われている。

独立派賛成派で占められる現在のカタルーニャ州政府内では亀裂が生じ、至る所で足並みがそろい切らない。いささか秩序に欠け、強引な態度だった1年前の決断・団結とは程遠いものだ。


そうした中での公判。有罪の判決が下された場合、州政府がどのような反応を示すのかが注目される。




ところで、現在ベルギーに亡命中の前カタルーニャ州首相カルレス・プッチダモン氏は、カタルーニャ独立に向けた「カタルーニャ中央銀行」の設立のための資金融資を、中国政府に求めていたようだ。

融資に対し中国政府は、「その資金は一方的な独立宣言に使われるものなのか」に対する回答と、「カタルーニャ中央銀行設立のプロセスについての情報」を求めたという。

ギリシャや東欧・南欧を中心に広がる魅力的な中国マネー。EUで中国投資への懸念が高まるものの、こちらでもEU諸国の足並みがそろわず、中国投資への規制が難しいのが現状だ。

独立賛成のカタルーニャ市民にとって、中国マネーがどのように映るのかは知らないが…

😱


2018-09-15

笑いの感性

『三つ子の魂百まで』とはよく言ったもので、スペイン在住年数がすでに人生の半分以上になった今でも、これだけは譲れない!というものがいくつかある。

しかしその中でたった一つ、『生涯かけてもこれだけは絶対無理』と胸をはって言い切れるものとは……

それは、笑いの感性だ!

スペインでよく語られる『Chiste』と呼ばれるジョークやダジャレは、笑いの次元が全く違うもので、受け答えに困り無表情になってしまうものが多い😶。

それでも的を射たものはスペイン人の間でバカうけし、それを見た私は、またムンク顔😱になってしまう。

バラエティー番組も少なければ、出演者のトーク力にも問題があるようで、演技力が濃すぎて大げさに聞こえるだけの残念さ。

コメディ系のドラマも内容やセリフが下品で、そんなところで笑いとる?とプロ意識を疑ってしまうほどお粗末だ。

そんな思いで日常を過ごしているものだから、日本に帰省の際はあらゆるところで私的笑いの原点が待っている。

そして今年、ついに私は私の人生で最も笑いの感性を震撼させた、あるCMに出会ったのだ。

CMを思い出せば、いつでも笑いがこみ上げてくる。現に、ひとりで買い物をしていた時も、ふとこのCMを思い出し笑いを咳でごまかしたほど。

そのCMこそが、こちら『チキンラーメン』のコマーシャル。



タンギングのできていないで出し、ミスの後に続く焦りの「ピー」という音、息の入れ加減が調節されていない音、最後のダメ押しの外れた音…

ただ、このCMを聞くだけで笑いを堪え切れなくなるのは、ある年齢層に限ったことなのかもしれない。

現に、私と姉が大爆笑の中、姪はなんとも冷静にそんな私たちを見てプッと笑うのだった。

2018-07-14

ご褒美のないダイエット

昨年の9月からはじめたダイエットも、速いもので既に10カ月以上が過ぎた。

3カ月ほどの停滞期を乗り越え、先月から微妙なほど少しずつ(100g単位で)体重が減り、今日ようやく-10キロに達しました。👏

服のサイズは2つダウン。これまで着ていた服は、服に着られているという言葉がピッタリくるように、まったく似合わない。

昔の服は何年か前に行った断捨離の結果、既に手元になく、あったとしてもそれより小さいサイズが必要と思われる。

ということで、夏のバーゲンで小さいサイズの服を購入することにしたが…

いざ試着してみると、うれしい反面、必ず「リバウンドするからお金のムダ!」と疑う私がいる。

しかも運動0+我流の糖質制限のダイエットだったので、残念ながら鏡に映る姿は、どこから見てもまだ若干太い!このたくましい二の腕💪と丸い顔😶は、減量した10キロの何パーセントを占めていたのか、悲しいほど知りたい気持ちでいっぱいだ。

しかし人生でこんな長い期間ダイエットしていたことはない。

なぜここまで続けられたのか?これまでの中途半端なダイエットと違うところがひとつあることに気付いた。

それは、ご褒美がないこと。

ダイエットをはじめたこと、○○キロになったらご褒美にお菓子やケーキを1つ食べようと思っていた。しかし○○キロになってみると「今はお預け」という気持ちが勝り、次の○○キロまで我慢しようという気分になる。

さらに減量が進むにつれ、ご褒美すら考えなくなっていた。

よくダイエット中の「チートデイ」の効果について語っている記事を目にするが、あれは意志の強い人向きだと私は思う。
私のような人間がチートデイをしたものなら、それが最後。1日では終わらないことをよ~く知っている。

ということで、油断をすればすぐにリバウンドする可能性が高すぎるため、さらなる数キロ減と体重維持のダイエットはまだまだ続くのでした。

2018-06-17

ソリダリティVSマーケティング

600名以上の難民を乗せた3隻の船が、今朝早くバレンシア港に入港した。先日ブログで紹介した"Aquarius"船の難民者達だ。

2000名を超えるスタッフが待ち構え、世界各国からメディアやカメラマンが駆け付けた。

彼らは今後45日間の特別滞在許可が許され、ケースバイケースでそれぞれの行き先が決定する。もちろん送還される人も出るだろう。

スペイン各地で歓迎的な受け入れ態勢が進む中、フランスも希望者への入国許可を発表した。

欧米の主要メディアでヒーロー的に扱われるスペイン政府の勇気ある決断。バレンシアも2008~2012年まで続いたF1以来の世界的注目を集めている。

しかるべき対応とスペイン人らしい歓迎ムード。

しかし…、

アンダルシアをはじめとしたスペイン南部では、毎日のように"Aquarius"が到着している。先週は48時間内に、なんと1000名近い難民が救出された。彼らも今日バレンシア港に到着した難民と同じ対応が必要だ。

そして、今一度イタリアやマルタ島の取った入港禁止を考え直すとき…、

もし彼らがこれまでのように受け入れ続けていたならば、"Aquarius"難民問題がここまで取り沙汰されることは皆無だっただろうし、イタリアとマルタ島がヒーローになることもなかっただろう。


残念ながら人道的な対応は、一方どこか打算的な面を持っているものだと痛感せざるを得ない結果となった。




2018-06-11

スペイン政府の勇気ある決断

地中海に、最終目的地を知らない一隻の船が浮かんでいる。

  • 付き添いのない子ども:123名(11名は幼児)
  • 妊婦゙:7名

を含む、計629名の難民を乗せたフランスNGO・SOS MEDITERRANEEの『Aquarius』船だ。


629名の命は、つい先日(9日・土曜日)地中海で救助されたばかり。

船は現在イタリアから35マイル(約56KM)、マルタ島からは27マイル(43.5KM)の位置に浮かんでいる。

しかし移民排外主義を掲げる右派政党メンバーを含む現イタリア連立政権は、イタリア全港への入港を禁止。そしてマルタ政権も同じ処置をとったのだ。

食料・飲み水も本日で底をつくとの報道がある中、
今朝、スペインが受け入れを発表した。

バルセロナ市長からの申し出もあったが、2日ほどかけて最終的にバレンシア港に入港する予定だ。

話は変わるが、スペインではイタリア新政権誕生とほぼ同じころ、不信任決議案可決後に新しいPSOE党(社会労働党)の政権が発足している。
17名の大臣のうち11名が女性大臣。科学・イノベーション・大学省大臣には、宇宙飛行士であるペドロ・デュケ氏が抜擢されるなど、何かと目新しい試みに挑戦しているようだ。

総選挙まで後2年。

PSOE党は前回の選挙では、党内の派閥問題などで大幅に議席を失っている。

不信任決議案が可決されたものの再総選挙の兆しもなく、さまざまな改革で残りの2年を
選挙PRに使うことだろう。

もっともこのようなPR作戦は国民を喜ばれるものが多い😙 
と勝手に期待している。


最後に話を難民に戻すと、残念なことに『Aquarius』船問題は、足並みの揃わないヨーロッパ諸国の難民問題のほんの一コマに過ぎない。

例えば、現在790名の難民者を乗せたイタリア沿岸警備隊の船が入港先を待っている。そしてリビア沖にもドイツのNGO船が救助のためにすでに待機しているのだ。


2018-04-29

#cuéntalo スペイン版#Me Too

日本を騒がせているTOKIO山口達也の強制わいせつ事件。先日アメリカでも黒人俳優・ビル・コスビー(80)に性的暴行罪の有罪判決が下されたばかりだ。

世界的な広がりを見せる「#Me Too」。セクハラから性的虐待、暴力まで、これまでタブーとしてひた隠しに沈黙を通してきた女性たちの声が、犯罪者たちを正当な裁きへと導いている。

しかし、そんな世間のムーブメントに逆行するかのような裁判判決が、今スペインで話題になっている。

事件は2016年、パンプローナ「サン・フェルミン祭り」で発生。5人の男性が強姦罪の容疑で逮捕された。被害者の女性(当時18歳)は強姦された上、数分ではあるもののビデオまで撮影された。

この裁判の大きな焦点は事件が強姦罪として取り扱われるのか、そとれともアビューズ・虐待として扱われるかである。

結論からいうと、性的虐待で9年の懲役と5年間の保護観察という判決が下され、強姦罪には問われなかった。強姦罪なら20年以上の懲役が科せられるケースが多い。

加害者たちは無罪・女性との合意のもとでの行為だったと主張している。

注目したいのは、被害者女性が
・事件の発生現場までは暴力的に連れていかれなかった
・行為に対して「NO!」と声を出さなかった
と証言していることだ。
事件前の女性の挑発的ともとれる発言や、口を手でふさがれていないにも関わらず声を出さなかったことなども明らかになっている。

しかし、
・現場までは暴力的ではなかったため、何が起こるか想像もつかなかった
・彼らが強制的な行動に移った変貌ぶりにショック状態に陥った←声を出せる精神状態ではなかったと判断できる
・恐怖のあまりどのように対処すべきか分からなかった
・パニック状態のまま早く終わることだけを願い、目を閉じていた
とも発言している。

つまりこの事件では、これまでの性的犯罪にありがちな被害者らしい態度ではなかった。そしてその違いが裁判官の判断に大きく影響したといえるだろう。

当然のことながら、判決後各地で大規模な抗議デモが繰り広げられ、警察や治安警察も下記のようなツイートしている。


市民の怒りはもとより、与党・野党を問わず政治家たちも判決への違和感を隠し切れない。法務大臣ラファエル・カタラ氏は今回の判決を尊重する一方、刑法の見直しや改正が必要なのでは?と公言している。

2018-04-02

罪悪感が和らぐスペイン流粗大ゴミ放置


現在の家に住んで約20年ほどになるが、当時からまったく不便極まりないものひとつある。

それはキッチンの吊り戸棚。

こちらに引っ越した際、引っ越し屋さんのひとりが設置してくれたのだが、彼の身長はなんと2メーターほど。

「高すぎるかな~?」と私の身長を見てちょっと鼻で笑いながら(←こんなことはしっかり覚えてます!)「ここでいいですか?」と聞かれた。
高い!と思ったが、引っ越しの忙しさから「ハイ、それでいいですよ。お願いします」と即答してしまった私。

それから不便なまま20年近く過ぎるとは、誰が思っただろうか。

踏み台を使わずに利用できるスペースは下段の最上列だけ。それならなぜそんなに長く放っておいたのかということになるが…

時間があれば少し下に付け替えようと思っていたので、とりあえずその戸棚には使わないキッチン用品をことごとく収納してしまったことが放置した最大の理由だといえるだろう。

しかし20年も経つと食器も増え、戸棚にしまっておいた数々のキッチン用品も不用品と化してくる。

そこでついに昨日設置し直しました。それも新しい戸棚に。


新しい戸棚は真っ白のタイプで、キッチンが明るく見える。2個並べて設置したが、ずれもなくバッチリだ!

もともと私はイケアなどの家具の組み立てが大~好き。一人で黙々と組み立て、完成したときの達成感と"私凄い!"感を味わい大満足するタイプの人間だ。

組み立てはいたって簡単だった。しかし電気ドリルの登場となる設置には神経を使った。

もう何度も穴を開けてきたが、今でも電気ドリルを使うのは怖い。実際に穴をあけ終わりドリルを片付けるときでさえ手が微妙に震えている。

設置後、古い吊り戸棚をどう処分するか考えた。

通常粗大ゴミは、市役所に電話をして取りに来てもらうことになる。

しかし昨日は日曜。

ということで、ここはスペイン流に路上にあるゴミコンテナの横に置かせてもらうことに決定。もちろん拾ってもらえることを願って。

まず私が戸棚の板とガラスをコンテナ横に置きに行った。
続いて家族の力を借りて戸棚を捨てに…。

ここで大発見!なんと、先ほど捨てた板とガラスがもうすでにない!誰かに引き取られたのだ。

我が家からコンテナまで100メートルほどの距離だろうか。私が最初のゴミを置いて家に帰る→2つ目のゴミを運ぶ、このわずか2~3分足らずの間の出来事。

これなら戸棚もすぐに新しい持ち主が見つかることだろう。

少々罪悪感のある粗大ゴミ放置ではあったが、これで少し心が安らいだ。

2018-03-26

今なら領土の取り放題?

前カタルーニャ州首相・プッチダモン氏逮捕のニュースを受け、バルセロナでは独立賛成派市民と警察の衝突が繰り広げられ、各地で集会や抗議運動が再発している。

実はこのようなスペインからの分離を目指す組織がスペインには数々ある。例えばバスク地方は昔から分離・独立運動が盛んなことで有名だ。ほかにもナバラ地方・ガリシア地方・カナリア諸島も比較的賛成派の多い土地といえるだろう。

そんな中、アンダルシアでも「Asamblea nacional Andaluza(アンダルシア国民議会)」が2019年の選挙に向け、カタルーニャ独立派と対談を進めているようだ。

メンバー数こそ少ないが、リーダーが構想するアンダルシア国家のスケールがもの凄い!

西はアリカンテ県から、東は南ポルトガルまで。さらに南下すると北部モロッコもアンダルシア国家に入れられている。

もう~、何コレ!

早いもの勝ちかい!

2018-03-25

プッチダモン拘束でどうかわる?カタルーニャ

夕暮れも随分遅くなり、「本格的な春、否初夏ももうすぐだ」っとまだ冷え込む日もあるのに気分はすっかりハイになっている私!

しばらくブログを休んでいたが、サマータイム突入とともに、そろそろブログ冬眠から目覚めるときがやってきた。

日本では卒業式や入学式、お花見の季節。スペインでは先日春を告げるバレンシアの火祭りが終わり、今年のセマナサンタもはじまった。

ここ数ヶ月スペインでは相変わらず、カタルーニャ問題と汚職のニュースが巷を騒がせている。

そんな中、本日ベルギーに逃亡中だった前カタルーニャ州首相・カルレス・プッチダモン氏がドイツで身柄を拘束された。
彼と一緒に逃亡中の4名、新たに先日スイスに逃亡した1名、計5名にも国際逮捕状が出されている。

先週金曜日には、カタルーニャ独立レファレンダムに関与した5名の政治家が身柄を拘束されており、今日のこのニュースをもって、カタルーニャでは再び独立賛成派の市民によるデモや集会の勃発が懸念されるところだ。

意固地になった政治的に幼稚で実りのない戦い。独立賛成派も反対派も、どちらも持論を掲げるだけで、相手の話を聞かない、魅了しようと努力しない。

平行線のまま、いつまでこのような状態が続くのだろうか?