晴天の日が続くと、心がウキウキする。
しかし、すでに真夏を思い起こさせる気温。暑い!
それでも程よい風を受け心地よい日陰に入ると、そこは汗だくの気怠い真夏ではなく(それはそれで好きだが…)、清々しく、私的な1年のクライマックスであるバカンスに向けての準備期間『初夏』なんだということを実感する。
彼らを見ていると、正直うらやましい。
なぜなら、
紫外線を気にするでもなく、まとわりつく砂も平気で、ビーチといえども汗だくになることが確定していることだって厭わない、そういった鬱陶しさを超越した時間の楽しみ方を知っているからだ。
若い頃は、時間があればビーチで過ごしていた私。
いつの頃からか、楽しさより煩わしさの方ばかりに気が行くようになってしまった。
でも、アラカンというお年頃。病気や体の不調が深刻にならないうちに『やりたいこと、ためしたいことはやってみよう』という気持ちに。
そして、長年遠ざかっていたビーチにも再デビューすることにした。
人が少ない時間帯を狙って、水際から遠く離れたところで、潮風の匂い波の音に集中すれば、若い頃に訪れたあのビーチやこのビーチがよみがえってくる。
そんなところで読む小説は、部屋の中で読むストーリーとは若干テイストが違う。
あー、素晴らしき哉、スペインのビーチ。
となるはずだったが、
実際は、
潮風は砂を運び、その砂はページとページの間に挟まり、ストーリーがまるではいってこない。太陽の位置に合わせビーチパラソルの位置を変え、優雅なひと時を想定していた私の近くで、賑やかな人たちがタッパーに詰めた料理を口にしながら騒いでいる。
あー、いつになっても煩わしき哉、ビーチ。
果たして、『これからビーチ行きます』族の域に達する日は来るのだろうか……
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