2014-10-28

汚職生産システム

毎日の様に汚職事件が発覚するスペイン。もう日常茶飯事なだけあって、スペイン社会が如何に汚職によって成り立ってきたのか、長年にわたって政治家、銀行や企業の間に培われて来た汚職システムが浮き彫りになってきている。

昨日は、主にマドリッドをはじめ、ムルシア、レオン、バレンシアなどの市や県が、公共工事やサービスの入札時にリべートを受けていたという容疑で、計51人が逮捕された。

リべートの額は凡そ2億5千万ユーロと伝えられている。

次から次へと発覚するが、どうにかこうにか抜け道を探し出す容疑者たち。

それは有力な人物ほど保護されるといった、ここにも何がしか腑に落ちないシステムが根付いている様な気がしてならない。

例えば、昨年話題の人物となった現スペイン国王の親族、イニャキ・ウルダンガリンはいつになれば裁かれるのだろうか?

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話は変わって、こちらも家族ぐるみで汚職スキャンダルに関わっている、カタルーニャ州政府首相を23年間務めたジョルディ・プジョル一家。

最近では、この一家の末息子も脱税やマネーロンダリングで警察の手が入った。

実はこの末息子オレゲールは、パソコンの証拠隠滅を携帯から行ったのだ。もうこれはスパイ映画でも見ている様だ。


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日本にはやくざが、イタリアにはマフィアが、そしてスペインには政治家が!と言われるようになるのも時間の問題かも知れない。



2014-10-24

エボラ熱とコカイン密輸

一週間前、マドリッド・バラッハス空港でナイジェリア人の男性が死亡した。

一週間前と言えば、ちょうどエボラ熱スペイン国内初感染者のテレサさんが病気の峠を迎えていた頃だ。情報不足や感染に関しての対応の悪さなどで、国民が≪エボラ熱≫に対して不安を隠せない頃だった。

彼はまさにそんなスペインの≪エボラ熱≫に対するヒステリックなほどの警戒態勢の犠牲となったのだ。

トルコからやって来たこの男性は、バラッハス空港に到着した後、税関を通ったすぐ後に震えながら倒れた。

空港側は直ぐに、何の疑いもなく≪エボラ熱警報≫を出す。

しかしながら、空港に≪エボラ熱対応医療チーム≫が駆け付けたのはその約50分後。その間、誰一人彼に近つ゛く者はなく、何の手当ても受けることなく彼はその場で息を引き取った。

実際のところ、このナイジェリア男性はコカインを密輸する為、胃の中に隠し持っていたコカイン入りのボールが壊れた為にそういった症状を訴えたのだった。

この男性がもしその時点で直ぐに胃の中のコカイン入りボールを摘出する手術を受けていれば、命を落すには至らなかった様だ。

今更ながらに、どうして各国の人が行き交う様な空港に≪エボラ熱対応医療チーム≫が配備されていなかったのかと疑問に思う。

この一例は、これから増々増えるであろう≪エボラ熱≫に対する警戒の重要さとその盲点を示した事故となってしまった。



2014-10-21

日本治療薬の効果……かも

今月初め、エボラ熱感染で入院していたテレサさんが、今日4度目の検査の結果、エボラ熱から完全に回復したという喜ばしいニュースがあった。

テレサさんと直接接触があった為、病院内で隔離されていたテレサさんのご主人をはじめとする15名も、疑わしい症状が出なかった為、早い人で27日か28日に退院が予定されている。

今後テレサさんも特別隔離部屋から、その15名が隔離されている病室へと移動することになる。完全な回復に向けてそこで2~3週間入院生活が続けられる。

彼女の場合、治療には2つの実験的薬が同時に使用された。一説にはその一つは日本製の薬と報じられている。しかしながら、それぞれの薬がどれだけの功を奏したのか、或はどの薬が最も有効だったかは今のところ断定できない状況だ。


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2014-10-18

セグンダ・ディヴィシオン6チームとセグンダ・ディヴィシオンB6チーム

先日≪サッカー・スペイン国王杯≫のベスト16の抽選会が行われた。

32チーム中、6チームがセグンダ・ディヴィシオン、6チームがセグンダ・ディヴィシオンBと、強豪が出揃う中奮闘している。



今回の抽選では、ベスト16戦で、セグンダ・ディヴィシオンBのウエスカがバルサと、同じくセグンダ・ディヴィシオンBのコルネジャがレアル・マドリッドと、これまたセグンダ・ディヴィシオンBのオスピタレッがアトレティコ・デ・マドリッドと対戦。

多くの人が予想するような結果となれば、既に準々決勝でレアル・マドリッドとアトレティコ・デ・マドリッドのデルビー戦が予想され、準決勝ではその勝者がバルサと対戦することになる。

上の表の左側には、今シーズン、リーグ戦で調子の良い、バレンシアやセヴィージャ、或は≪スペイン国王杯≫に既に23回優勝している(これは26回優勝のバルサに次ぐ第2位、レアル・マドリッドは第3位19回優勝している)アスレティック・ビルバオなどの強豪が揃っている。

≪スペイン国王杯≫の見どころは、強豪同士の対戦は勿論のことだが、やはりセグンダ・ディヴィシオンやそのBのカテゴリーのチームが、チーム予算が桁違の強豪チームにどこまで食い下がるがだ。

頑張れ!ウエスカ、コルネジャ、オスピタレッ、アルコジャーノ、カディス、オヴィエド。

頑張れ!サバデル、アラヴェス、アルバセーテ、ラス・パルマス、ベティス、ヴァジャドリッ。

応援してます!!


2014-10-17

スペイン、エボラ熱感染 続き…2

エボラ熱感染の検査結果が待たれていた、リベリアから帰国した宣教師とシエラレオネから帰国した赤十字社のボランティア看護師が、どちらも第一次検査に陰性反応を示したと発表された。

72時間後に行われる第二検査によって、完全にエボラウイルスに侵されていないことを確認する方針だ。



スペイン、エボラ熱感染 続き……

エボラ熱感染の疑いで昨日病院に搬送されたのは、マドリッド3名、テネリフェ3名の、計6人となった。

昨日の時点でお伝えした、感染可能率の低いカテゴリーに属していた人、パリ発の飛行機でエボラ熱の症状らしき震えや熱が出たナイジェリア人については、第一次感染検査の結果、陰性反応を示したと発表があった。

第二次検査は、72時間後に行われなければならず、それまでは指定病院で隔離されている。

今月11日にリベリアから帰国していた宣教師も高熱の為、指定病院で隔離、検査待ちだ。この宣教師の場合は、他の既にエボラ熱で死去した宣教師兼医師とは違い、直接エボラ熱患者とは接触していなかったようだ。

また、昨日はカナリア諸島のテネリフェで、感染の疑いが持たれている3人が病院搬送、隔離された。

そのうちの一人は、数日前シエラレオネから帰国した、赤十字社の看護師として働いていた男性だ。彼は、直接エボラ熱患者との接触があったころから、感染度の高いカテゴリーに位置付けられていた。昨日熱やのどの痛みを訴えた為、テネリフェの指定病院に隔離され、検査結果待ちとなっている。

またこの男性の同居人2人も、症状がないものの念の為、病院に入院。

国民の不安が一挙に高まった一日であった。

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2014-10-16

エボラ熱感染 第三のケース

今日は朝から、エボラウイルスに感染した可能性がある為、エボラ熱対応特定病院に2名が搬送された。

一人は比較的感染の可能性が低いと見られていた、エボラ熱感染患者テレサさんと何らかの形でコンタクトがあった人だ。

もう一人は、パリ発の飛行機に乗客として乗っていたナイジェリア人。機内で震えや熱と言った症状が出た。

更に今日はもう一人、エボラ熱感染の疑いで同病院に搬送された人がいる。

リベリアから今月11日にスペインに帰国した宣教師である。彼の主な症状は高熱だ。

3人はエボラ熱感染確認の検査を受け、今日中にも結果が出る模様。

エボラ熱感染 10月16日

エボラ熱症状が出てから峠と見られる15日が経った今、スペイン国内初感染患者テレサさんは、重症には変わりないものの、僅かながら徐々に回復の兆しを見せている。

血液内のエボラウイルスの数は日に日に減少。医師や看護師と僅かながらではあるが会話ができ、彼らが働きやすいように自ら動くなどの協力的行動もとれるほどになっている。

現在彼女の他に、テレサさんのご主人、テレサさんを診た医師等、彼女と直接的なコンタクトがあった為、感染率が非常に高い14名の人々は病院内に隔離されている。その他、彼女と何らかの形でコンタクトがあり、比較的感染率が少ないとされいる78名については、毎日2度熱を測って病院と連絡を取り合うという形でコントロールされている。

しかし、今日この比較的感染可能性の低いカテゴリーの一人が37.7度の熱が出たことでテレサさんと同じ病院に搬送された。熱以外の異常は確認されていない。

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また今朝は、9時35分パリ発のエール・フランス機がマドリッド・バラッハス空港で乗務員と156名の乗客を乗せたまま、エボラ熱感染防止緊急体制の為足止めされている。

この飛行機に乗っていたナイジェリア人乗客が、震えや熱などの症状を訴えたからだ。

エボラ熱とは確定できていないが、テレサさんの感染以来、対応症状の基準が今までより低くなった為エボラ熱対応プロトコルに従って、一刻も早く病院に搬送される模様だ。




2014-10-08

いつもの様に杜撰な状況 エボラ熱の場合

スペイン国内初のエボラ熱感染患者、テレサ・ロメロさんの飼い犬が、今日殺処分された。

今日は朝から、彼女の住むピソの入り口には、警察、衛生局のスタッフ、獣医、メディア、そして動物殺処分に反対する人々でごった返しだった。

その処分については、エボラ熱感染の可能性がある為監視下に置かれている彼女のご主人が、携帯からソーシャル・メディアで多くの人々に殺処分の反対を呼び掛けた。

この呼びかけは海外でもニュースとして取り上げられる程だったが、残念ながらその甲斐もなく処分されてしまった。

ただ実際のところ、エボラ熱の、犬の様な大きさの動物への感染に関しては今のところ全く情報が無いらしい。感染しているかどうかの検査すらできないのが現実の様だ。

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さて、このニュースは飼い主であったテレサさんに伝わったかは分からないが、このニュースを知ったらさぞかし悲しみ、そしてどうしようもない怒りに襲われることだろう。

ただ、彼女を悲しませるニュースはこればかりではない!

今日、マドリッド州衛生局が、この一連のエボラ熱騒動の責任を彼女に向けたのだ!

その原因は、彼女が隔離された病室で関係者に、「もしかしたら、感染を防ぐ為の特別スーツ及び手袋を外す際に、手袋が顔に触ったかもしれない」と語ったからだ。

これをいいことに、マドリッド州衛生局は彼女の一連のこれまでの行動に疑問符を付け、彼女が熱に関して嘘をついていただの、熱が出始めた際、医師にエボラ熱感染患者に接したことを隠していただのと、彼女を犠牲者から引き摺り下ろし、責任者に仕立て上げる姿勢を見せた。

では、何処にそうする理由があったのか?と聞きたくなる。


そんな責任逃れ的な衛生局に対して、8月に初めてアフリカでエボラ熱に感染した宣教師医師がスペインに搬送された際、その受け入れ態勢が未だ整ってはいなかった、つまり不十分であったという報道もされている。

それは例えば、明日感染患者テレサさんを診察する予定の医師の話からも伺える。

「明日か明後日、私は彼女を診察することになっている。しかしながら誰にも感染防止のスーツの付け方を教えてもらっていない。私はまだ準備が出来ていない。これは私に限った事ではない。多くの私の同僚も同じだ。どうして我々にもっとエボラ熱への対応教育をしなかったのか?私たちよりもっと、もっとその病気に精通した医師が対応すべきではないのか?」

この医師の話によると、彼は今回のエボラ熱感染者診察に対して、僅か10分程の講習を受けただけだそうだ。スーツの付け方、脱ぎ方の実習も無く……

また、衛生局はマドリッド感染病指定病院に勤める職員に、≪感染防止特別スーツ≫に関して50時間の講習を行ったものの実地訓練は行っておらず、彼らが初めてそのスーツを手にしたのは正しく最初のスペイン人感染患者がアフリカから搬送されて来た時だった。

更に言うなら、その病院の看護士や看護助手らは、30分程の講習(スーツの練習のない)を受けただけと言っている。

全くもって準備不足だった、そして今も尚準備不足なことは、隠しがたい!

今は責任探しをしている場合ではなく、これ以上感染が拡大しないことに集中すべきではないのか!





2014-10-07

エボラ熱 スペイン国内感染 

スペイン国内で初めてのエボラ熱感染者が出た。

感染したのは、アフリカでエボラ熱に感染したスペイン人宣教師2名が(いずれもマドリッド感染病指定病院で手当ての甲斐なく死亡)、それぞれ8月そして9月にスペイン・マドリッドに手当の為、厳重体制で搬送されたの際、看護助手として働いていた40歳代の女性。

映画≪E.T≫の一場面を思い出させるほどの完全装備だった人に何が起こったのか?

彼女が最後に接した感染患者は、9月22日にシエラレオネでエボラ熱に感染した、内科及び熱帯地帯の医学に携わってきた70歳の宣教師、ガルシア・ヴィエッホ氏だ。残念ながら、ガルシア氏はスペイン搬送3日後亡くなっている。

衛生省の発表によると、感染した看護助手は9月30日に健康状態が悪くなったものの、10月5日まで医者には行かなかったとのことだ。

一方、あるスペイン有力新聞では、9月30日にエボラ熱の症状が出始めた為病院に行ったが、病院側は10月5日までエボラ熱と判定する為の検査をしなかったとしている。

いずれにせよ、彼女はマドリッドの感染病指定病院に搬送された。彼女のご主人はじめ、同僚等、約30名も監視下におかれている。また、ごく一般的な生活をしていた感染者と交流のあった者も調査中のようだ。

衛生省は、「どうして感染したのか今調査中だ。現在のところ原因が把握できていない」「患者の手当てに携わっている医療チームと国民の安全を保障するべく、最善の処置をとっている」という、こういう事態にはつきものの言葉で締めくくっている。

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話は変わって、息子の友人のお父さんが、今年の春からシエラレオネで建築家として出張中だ。

心配はないのだろうかと息子に聞くと、「先週末こっちに帰って来てて、X君(息子の友人)と一緒にショッピングを楽しんだらしい」とのこと。

そして息子はそのお家に先日友達数人とお泊り。

心配するべきなのだろうか?




2014-10-05

≪ゲーム・オブ・スローンズ≫の第5シリーズ in アルカサル

ユネスコの世界遺産に登録されているセビージャの≪アルカサル≫が、明日6日から今月末まで一部閉鎖される。

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HBOのテレビファンタジードラマシリーズ、あの≪ゲーム・オブ・スローンズ≫の第5シリーズの撮影が≪アルカサル≫を舞台に繰り広げられるからだ。

また、16日からはセビージャ県内のオスーナでも撮影が行われる。

オスーナは人口18000人ほどの町だ。そこに、撮影のスタッフ約350名、出演者、500名ほどのエキストラ等、総勢1000人を迎え入れることになる。

市は調整会議などを済ませ、受け入れ態勢を整えている。

≪アルカサル≫では主に、敷地内にある幾つかの≪庭園≫が使用され、最終的には≪ムデハル宮≫での撮影も取り組まれている。

≪アルカサル≫HPから地図付き撮影プランが見れるので参考にして下さい。

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