スペイン国内初のエボラ熱感染患者、テレサ・ロメロさんの飼い犬が、今日殺処分された。
今日は朝から、彼女の住むピソの入り口には、警察、衛生局のスタッフ、獣医、メディア、そして動物殺処分に反対する人々でごった返しだった。
その処分については、エボラ熱感染の可能性がある為監視下に置かれている彼女のご主人が、携帯からソーシャル・メディアで多くの人々に殺処分の反対を呼び掛けた。
この呼びかけは海外でもニュースとして取り上げられる程だったが、残念ながらその甲斐もなく処分されてしまった。
ただ実際のところ、エボラ熱の、犬の様な大きさの動物への感染に関しては今のところ全く情報が無いらしい。感染しているかどうかの検査すらできないのが現実の様だ。
さて、このニュースは飼い主であったテレサさんに伝わったかは分からないが、このニュースを知ったらさぞかし悲しみ、そしてどうしようもない怒りに襲われることだろう。
ただ、彼女を悲しませるニュースはこればかりではない!
今日、マドリッド州衛生局が、この一連のエボラ熱騒動の責任を彼女に向けたのだ!
その原因は、彼女が隔離された病室で関係者に、「もしかしたら、感染を防ぐ為の特別スーツ及び手袋を外す際に、手袋が顔に触ったかもしれない」と語ったからだ。
これをいいことに、マドリッド州衛生局は彼女の一連のこれまでの行動に疑問符を付け、彼女が熱に関して嘘をついていただの、熱が出始めた際、医師にエボラ熱感染患者に接したことを隠していただのと、彼女を犠牲者から引き摺り下ろし、責任者に仕立て上げる姿勢を見せた。
では、何処にそうする理由があったのか?と聞きたくなる。
そんな責任逃れ的な衛生局に対して、8月に初めてアフリカでエボラ熱に感染した宣教師医師がスペインに搬送された際、その受け入れ態勢が未だ整ってはいなかった、つまり不十分であったという報道もされている。
それは例えば、明日感染患者テレサさんを診察する予定の医師の話からも伺える。
「明日か明後日、私は彼女を診察することになっている。しかしながら誰にも感染防止のスーツの付け方を教えてもらっていない。私はまだ準備が出来ていない。これは私に限った事ではない。多くの私の同僚も同じだ。どうして我々にもっとエボラ熱への対応教育をしなかったのか?私たちよりもっと、もっとその病気に精通した医師が対応すべきではないのか?」
この医師の話によると、彼は今回のエボラ熱感染者診察に対して、僅か10分程の講習を受けただけだそうだ。スーツの付け方、脱ぎ方の実習も無く……
また、衛生局はマドリッド感染病指定病院に勤める職員に、≪感染防止特別スーツ≫に関して50時間の講習を行ったものの実地訓練は行っておらず、彼らが初めてそのスーツを手にしたのは正しく最初のスペイン人感染患者がアフリカから搬送されて来た時だった。
更に言うなら、その病院の看護士や看護助手らは、30分程の講習(スーツの練習のない)を受けただけと言っている。
全くもって準備不足だった、そして今も尚準備不足なことは、隠しがたい!
今は責任探しをしている場合ではなく、これ以上感染が拡大しないことに集中すべきではないのか!
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