その部屋は、物置部屋にすっかり姿を変えてしまっていたので、≪これはいけない!≫と、要らない物は捨て、要る物は整理することに重い腰を上げた。
出てくる出てくる、もうすっかり忘れていた子供のおもちゃ。
それも日本の両親が孫の為に送ってくれた高価なおもちゃとは違い(そういう類のおもちゃはちゃんと他のところに大切にしまってある)、お菓子のおまけやサッカー選手のカ―ド、カ―ドと言えば≪遊戯王≫≪ポケモン≫カ―ド、ポケモンと言えばどのくらい集めたのかわからない位の数のミニチュアの≪ポケモン≫に≪デジモン≫、それに加えて恐竜のミニチュア、小さなパーツを組み合わせて作るロボットのそのパーツの多さ……
もう埃としか縁の無いそれらのおもちゃに費やした大金に、フラフラする思いで片付けていた。
っとそんな中から、何冊かの年間別手帳が出て来た。(何でこんな所に!?)
そう言えば、息子が赤ちゃんの時、今日は何を食べただの、これが出来ただのと毎日ではないが書いていた。赤ちゃん育てに忙しかったのか、ただただ私の性格がそうなのかは知らないが、日記風に書くなら兎も角、殆ど箇条書き。
そんな箇条書きの中にも、いくつかちゃんとしたエピソ-ドなどが書かれていた。
片付けなどそっちのけで、読み始めた。
1つ目は、≪新発見!胎内の味≫
ある日まだ3歳くらいだった息子が、歯磨き中にこんなビックリするような発言をした。
「ママ、僕がお腹の中にいてた時、こんな味がしたよ!」とメロン味の歯磨き粉で歯磨き中そんな事を言った。
2つ目は、無邪気な子供の話。この話はスペイン語が分かる人限定のお話。(日本語でも分かる様に説明してみます)
これも息子が3歳くらいの時で、主人がなぞなぞを言った時のことである。
そのなぞなぞはと言うのは、
゛Es una fruta. Blanco por dentro, verde por fuera. Si quieres saberlo, espera. 果物で、中は白、外側は緑。知りたければ、待ってなさい゛
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Si quieres saberlo=知りたければ, ESPERA=待ってなさい、のES-PERA、つまり、Es pera=洋ナシです がこのなぞなぞの重要ポイントなのだ。
普通なら「あ~、もうそんなん知ってる」、とか無邪気な子供は「え~、何~、教えて~」と言う事になるのだが、家の息子もっと無邪気で、ニコニコしているだけだった。
主人が暫くして、「分かった、答え?」と聞いても、ただひたすらニコニコしているのみ。
「どうしたん?」と聞いてみると、「答えが知りたいから、待ってんねん!」と返って来た。
何とまあ無邪気な息子だったのだろうか!
そんなこんなで、来週に片付けは延期となった。
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