2014-11-28

トマティーナにも汚職の影が!


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日本の方にもお馴染の夏のスペインのお祭り、≪トマティーナ≫。

毎年8月の最後の水曜日に、バレンシア県のブニョール市で行われるトマトを投げ合うお祭りに、10ユーロの参加費が必要となったのは今から1年前、2013年のことだ。

実は当時の参加チケットの販売管理に関して、その管理会社との間に不正行為があったとしてブニョール市の市長が起訴された。

報告によると、市はその販売収益の15%のコミッションを受け取っていた模様。この月曜、市長は被告をして証言を求められる予定だ。

ちなみに昨日、現政権ポプラル党が≪汚職防止政策案≫を発表したばかりだ。今頃!と言いたいが……




2014-11-26

マドリッドに≪世界最大級のショッピングセンター≫が!

スペインでデパートと言えば、≪エル・コルテ・イングレス≫!

日本と違って、あれやこれやとデパートがない。とは言え、≪エル・コルテ・イングレス≫デパートは至る所にある。

同じ通りに何件も、商品の取り扱い分野こそ違うものの、≪エル・コルテ・イングレス≫が並んで立っている所も少なくない。

さてこのデパート、88店舗のうち86店舗をスペイン本土に構え、2店舗をポルトガルに持つ。

その一つ、マドリッド・カステジャーナ道りに面する≪エル・コルテ・イングレス≫が、隣接する13000㎡の土地を落札。店舗拡大によって≪世界最大級のショッピングセンター≫を目指すらしい。

そんなスケールのデカいニュースを読んでいる傍らにこんなニュースが目に入った。

マドリッドだけで、約3000人のホームレスが存在するというニュースだ。この数字は去年に比べると20%も増加している。

これからの季節、マドリッドの寒さは厳しい。市役所は例年の様に、ホームレスの人達が寝泊まりできる施設の提供を昨日から始めた。2015年3月までそのキャンぺーンは続けられる予定だ。

しかしながら収容施設のベッドの数が足りない。

約3000人のホームレスに対して、用意されるベッド数は約2000。1000人はどうなるのだ!

とは言え、以前にこんなコメントも聞いたことがある。

ホームレスの中にはそういった施設の利用を望んでいない人も少なくないというのだ。理由は、施設によって違う規則や、時間規制など。ホームレスならではの自由が無くなるという発想からだろうか。


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2014-11-22

もうニュースにさえならない≪立ち退き≫の現状

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スペインに於いて立ち退きは、今や話題にもならない日常茶飯事のことになってしまった様だ。

既に今年の上半期だけで、26500以上の家庭がその対象となり家を失った。

それでも、その非情な性質によって、或は人情的要素が加わった時、ニュースとなることがある。

先日もまた一人の老人が立ち退きの対象となった。85歳のカルメンさん。

息子さんの借金の為、ご自分の家を担保に入れた。借金は返されず、家は貸金業者の手に。
立ち退き処分の判決を一か月遅らせることが出来たが、それでもその日がやって来た。

いつもの様に≪立ち退き反対≫を応援する活動家たちと警察がカルメンさんの家を取り囲む。

僅かな年金で、彼女はその残された人生をどのように生きるのだろうか。

しかし、彼女の場合は幸運だった。

立ち退きとなった家はマドリッド・ヴァジェカス区にある。それが功を奏したのだ。

ヴァジェカス区には、現在スペインサッカー・リーグ、プリメラ・ディヴィシオンで活躍する、サッカークラブ≪ラジョ・ヴァジェカーノ≫がある。

この事態を知ったこのチームの監督、パコ・へメス氏が援助の手お差し伸べたのだ。

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「私たちは、この事態を黙って見ていることは出来ません。私だけでなく、チーム全員が彼女を援助したいと思います。私たちのできる範囲で、カルメンさんが今後生活できる場所が見つかる様に」

「私はカルメンさんを援助できることが出来て嬉しいです。出来ることならもっと大勢の方を支援できればいいのだが、それは不可能です。この件は、カルメンさんが自分たちの地域の人だっただけに、見過ごすことは出来なかった」とへメス氏は語った。




2014-11-21

宝くじのCMに見るスペインの現状

昨日、ポプラル党が政権を握ってから3年目が経った。

選挙まで残すとこあと1年。

来年の選挙に向けて、この3年の間に、≪圧倒的な過半数を得た前回の選挙≫のお蔭で実行できた、≪公約を無視した≫政治対策や経済対策に少しは歯止めをかけることになるだろう。

何故なら、国民に≪良いところ≫を見せなければならないからだ。

この3年間は汚職に始まり、未だにこれでもかと言う程汚職関係、脱税関係のニュースで世間を騒がせている。これはポプラル党に限った事ではない!

この3年で、貧富の差が尋常でないほど拡大した。クライシスの影響で、今スペインは今までに經驗したことの無いほどの貧富の差に直面している。

今年の経済成長は、ヨーロッパに於いては、フランス、イタリア、そしてあのドイツよりも良かったと自慢気に言うが、どん底にいたのだからいくら成長したからと言っても、国民の生活に於いて実感できるほどのものではない。

失業率を減らす為にありとあらゆる対策をとったが、結局のところ、それは賃金の安い、不安定な職業を増やすだけの結果となった。

こうした一連の不満材料が、立党僅か1年足らずの≪PODEMOS党≫の人気を裏付けている。

さて、この時期になると、日本でいう≪年末ジャンボ宝くじ≫に匹敵する≪La Loteria de Navidad =クリスマス宝くじ≫がそろそろ人々の間で騒がれ始める。

≪宝くじ≫のコマーシャルも始まる。

しかしながら、今年のコマーシャルは一味違う。

コマーシャルのストーリーは大体こんなもんだ。

宝くじ抽選会の一週間前、ある男性がいつもの様に行きつけのBarに入る。店のオヤジは毎年の様にその男性に宝くじを購入するかどうか尋ねる。
しかし、その男性は「また、今度」と返事をする。
抽選会当日、そのBarでは大勢の人が盛りに盛り上がっている。Barで買った宝くじが当たったのだ。
男性は今年は宝くじを買わなかった(買えなかった)と言う無念の思いを胸に、Barに行く。
男性は店のオヤジを祝福し、コーヒーを一杯頼んだ。
店内に溢れる喜びの歓喜。男性は「勘定」を頼む。
「21ユーロ」。
たった一杯のコーヒーがと不思議に思う男性に店のオヤジは、「コーヒー1ユーロとこれ」と当選番号の宝くじ1枚が入った封筒を渡す。

これが今年のそのビデオ。


比べて見て下さい。これが昨年のコマーシャル。


2014-11-19

2時間のタイムリミット

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先日、息子と買い物に出かけた。

息子と買い物に行くのは、大概彼の服や靴などを買いに行く時だけだ。

そして私達の間で頑なに守られるタイムリミットがある。2時間。

移動と買い物含めて約2時間が、私達が楽しく買い物出来る時間なのだ。それを過ぎると険悪な雰囲気になる。

日本でいう高校3年になる彼は、丁度その日友達から一緒に服を買いに行くお誘いがあったのだが、私は彼のファッション感覚に合ったものを探してくれるという、全くもって無責任な理由から、それを振り切り私とショッピングをすることにしたらしい。

それに彼は私とショッピングに行くのが楽しいというのだ。2時間ほどなら……

その年齢の子供が着る服のメーカーは大概決まっている。そして誰ともダブらない様にしたいという彼の希望は悉く難しい。なるほど、友達と行かなかった訳がそこにあったのか……

この店も、あの店も、どれもこれもクラスメ-トが着ている、或は似たのを着ているとのことで、なかなか買ってくれない。

それでも2時間なら、おしゃべりしたり、服や店の、或いは店員の悪口を言っては笑いと、なかなか楽しいのだ。

しかし、何一つ買わないまま限界の時間が迫ってくる。

彼は段々もう疲れたと言わんばかりの態度になる。私はもういい加減に決めて!と言わんばかりの態度をとる。

結局最後の最後になって、靴とトレーナーを買った。

何とか2時間で終わりました。

が……

靴は大変気に入っている。その靴は制限時間ギリギリで私がセール商品の中から見つけ出した、まあ言えば私のお手柄商品だった。息子一人では絶対に見つけ出せなかっただろうと確信している。

問題はトレーナー。

お店で既に試着していたので、帰宅して値札をとった後のことだ。

「えっ、こんなところにこんなロゴ入ってたん?」と息子は片方の袖一面に書かれてあるロゴについて、目が点になる様なコメントをした。

肩から袖まで大きくロゴが付いている。見てなかったん!自分試着したやろ?!

息子:「返品できるかな?」

私:「でけへん!」

そんなこんなで、私一人次の日に買い物に行った。彼はもう≪全てお任せモード≫に設定済み。

セーターとトレーナーを買ってきた。サイズもピッタリ。好みもピッタリ。早速彼は次の日にそのトレーナーを学校に着て行った。

もうこれから一人で行こ!






2014-11-10

カタルーニャ 長年の思いが今!

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カタルーニャ独立を求めて行われるはずだった住民投票が、中央政府の法的処置により違法とみなされ、住民投票から、全く法的な意味を持たない住民独立意識調査的なものとなってしまったにも拘らず、昨日11月9日、2百3千万人以上の人がカタルーニャ独立是非を問う投票型調査に参加した。

そのうち80%の人が独立に賛成している。

長蛇の列が会場となった学校などを取り巻く。ある会場では5時間待ちの所まであった様だ。また海外からも投票が出来た。

投票できることに感極まって涙を見せる人まで出た。バルサの監督だったペップ・グアルディオラ氏もわざわざドイツからカタルーニャに帰国して投票に参加した。

この投票は今日もまだ続いている。

カタルーニャ独立是非に参加できる有権者数は凡そ5百4千万人。

今のところ半数にも満たない投票率だ。当然この投票型調査に意味を持たない人は足を運ばないだろうし、本当にカタルーニャの独立是非を知る為にはこの方法では正確には把握できない。

しかしながらカタルーニャ政府の世論調査によると、丁度現政権ポプラル党が政権の座就いた2011-12年頃から急激な勢いで、カタルーニャをスペインから独立した国として位置付けたいを考える人が増えているようだ。そして増え続けている。

ここ10年ほどのこの調査結果では、これまで自治体、連邦国家としての位置付けを支持してきた人たちが独立を望む人より多かったが、この2011-12年を境に下降し始め、それとは逆に独立への支持者数が急激な伸びを見せている。(グラフにするとペケポンX状態)

この投票型調査結果がカタルーニャ、スペインにどの様な道を開くのか。これからの中央政府とカタルーニャ政府マス首相との駆け引きに注目したい。







2014-11-06

≪TU≫で呼んで!

今年6月に新しいスペイン国王が誕生した。

フェリッペ6世国王とレティシア王妃。40代のこの若い国王夫妻は、これまでの王室の伝統を変えようとしている。もっと国民に近い存在でありたいと考えている様だ。

ご存知の方も多いと思うが、レティシア王妃は王室には珍しく離婚歴のある女性だ。結婚前はジャーナリスト、ニュースの女子アナとして活躍していた女性である。

フェリッペ王子(当時)との婚約後は王室の人間として相応しい様に教育されたのだろうが、それでも彼女のこれまの王室になかった雰囲気は新鮮でステキだ。

その彼女が、最近こんな提案を王室に仕える人々に出した。

スペイン語には相手を呼ぶ、英語に当たる≪YOU≫には二通りの言い方がある。≪TU≫と≪USTED≫だ。

≪TU≫は親しい間柄で使われ、≪USTED≫は初対面の場合(大人に対して)や、目上の人、それほど親しくない人などに使われる。

勿論、王室で働く人々は王や王妃に≪USTED≫を使うのだが、彼女はこれを止めて≪TU≫で呼んでほしいと提案したのだ。

これはもっと身近に、親しみを込めて付き合いたいという彼女の新しい王室モデルへの第一歩なのだ。

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ちなみに彼女はローコスト服愛用者としても有名だ。≪MANGO≫をはじめとするローコストブランドの洋服で登場することもよくある。それも同じ服を何度も着こなしている。数年前に着用したジャケットでまたお目見えなんてこともよくある。

前王室家族が引き起こしたイメージダウンを、新しい王室モデルでもって巻き返すことができるだろうか。


2014-11-05

変化の欲しいスペイン

前回のブログで紹介した汚職事件で、政界に大きな変化が現れはじめた。

スペイン社会研究センタ-の11月5日付けの調査によると、≪明日、選挙があったとしたらどの政党に投票しますか?≫と言う質問に対して、これまでスペインの政権を握って来たスペインニ政党、ポプラル党やスペイン社会労働党を抜いて、未だ立党から1年にもならない≪ポデモス党≫が第一位となったのだ。

このデーターも含め、他の質問との総合結果は、支持率の激減にありながらも第一位、二位を維持するポプラル党、スペイン社会労働党に対して、≪ポデモス党≫はスペイン政界の第三勢力の位置を確実に手に入れた様だ。

その支持率の急成長がこれまた凄い!

それはこの党が未だ政界にお目見えしたことがなく、それが故に、国民の怒りを買う様な汚職とは今のところ全く無関係の存在だからだろうか。

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≪ポデモス党≫は完全な左派である。党のリーダーは大学で政治学を教えているパブロ・イグレシアス氏だ。

36歳とまだ若いこの教授率いる≪ポデモス党≫の支持は比較的若い世代の人が多い。

それとは逆に、予算カットであらゆる面で負担を負うことになった高齢者は、不満はあるもののこれまでの二大政党への支持から離れられない様だ。

これまで第三勢力とされてきた左派のイスキエルダ・ウニーダ党から離れ≪ポデモス党≫へ、中道左派のスペイン社会労働党から離れ≪ポデモス党≫へと流れる人、或は中道右派のポプラル党からでさえ≪ポデモス党≫へと支持を変える人も出てきている。

何かがおかしい。政界がおかしい。社会がおかしい。クライシスが始まってから貧富の差が超著しくなったスペインで、国民は政治経験のない≪ポデモス党≫に期待している。