2016-12-18

和音を知らないオルガンの音色

先月からおすそ分けみかんをよくいただく。毎週のように。週末は贅沢にジュースにするが、心は何故だか「証拠隠滅」気分。そして今日もまたみかんのいっぱい入った袋がお隣からやって来た。

今年もまたみかんを食べきれずに迎える年末年始になりそうだ。



早いものでクリスマスまであと1週間となった。この時期は年が終わり日付が変わるだけなのに、妙な焦燥感におそわれる。私にとって12月はまことにストレスフルな月なのだ。

華やかに装った町は楽しく賑わうが、私は人ごみに中で忙しさだけを感じる。

さて、そんな街中をさらに盛り上げるのはお店や街頭で流れる音楽だ。しかし最近あまりお見かけしなくなったものがある。街角のジプシーによるオルガン演奏。

偶然にも先日近所でクリスマスの音楽を演奏していた。オルガンは一昔とは比べようのないほどいろんなスイッチがついている。

が、あの強弱の全くない音量。そしてあの同じ和音で1曲を済ませるというは変わっていない。とてもスペインらしく懐かしい音色だった。











2016-12-16

メッシへのオファーが凄い

カタールのドーハで行われた先日のバルサ対アル・アハリの親善試合。アフガニスタンの少年との微笑ましい光景を披露してくれたメッシだが、今その彼に中国サッカーチーム・河北華夏幸福足球倶楽部からもの凄いオファーが来ているらしい。

5年契約で、その金額は5億ユーロ。日本円にすると6百億以上になる。

バルサとの契約は2018年の6月までで、現在の年俸は2千4百万ユーロ。契約更新としてチームは3千5百万ユーロを予定しているようだが、中国へ移籍すれば年俸は1億ユーロと桁違いだ。

河北華夏幸福足球倶楽部では今年からスペインでもお馴染みのペレグリーニ氏が監督に就任。同じくアルゼンチン人でナポリやパリ・サンジェルマンで活躍したラベッシ選手も今年移籍している。

中国のサッカー事情はよく知らないが、ヨーロッパの強豪サッカーチームの一員として活躍する面白さ・サッカー選手としての満足度にバルサの年俸をプラスすると、メッシの場合その金額は6百億以下になるのか以上になるのか興味深いところだ。









2016-12-04

アロンソの夢はどこに…

2005、2006年とF1ワールドチャンピオン2年連覇を成し遂げてから早10年。何の話題性もなく今年もフェルナンド・アロンソのF1シーズンが終わった。

彼の活躍が期待できないここ数年はスペイン人のF1熱も下がり、レース中継も有料テレビでしか見れなくなるという始末。

同時に彼の引退説も何度も噂されている一方、結果とは似合わないほどの高額な収入が原因で今もまだレースを続けているとも言われている。

彼のケースとは全く異なるドライバー人生を展開した今年のチャンピオン、ニコ・ロズベルグ。

ロズベルグは「夢であったチャンピオン」に到達した時点で引退を表明。何ともカッコイイ選択だ。

しかしこのことで所属のメルセデスに欠員ができ、後任候補にアロンソの名前も上がっている。

しかしどこに行ったとしても同じような結果が予測される。ましてやメルセデスには一昔前の同僚且つライバル・ハミルトンがいる。往生際の良いところで引退できなくなってしまったアロンソ。

スポーツに於いてはとんでもないほどの愛国心を見せるスペイン人だが、来シーズンこそは‼と信じる人がはたしているのだろうか?




2016-11-16

おすそ分けの季節

朝夕がかなり寒くなってきた今日後の頃。クリスマス向けのCMがやたらと増え、12月の連休・忘年会(ささやかながら友人と)・クリスマス・大晦日と、気の早い私は今からワクワクしている。

そしてこの季節はお隣さんからおすそ分けが多くなる頃だ。

特にオレンジやみかん、例年通りなら来月あたりからりんごも加わる。


私が住んでいるピソの同じ階にはお隣さんが2軒。その両方からいただくから、冬は果物を買うことが劇的に少なくなる。

しかしその量は到底私たち家族では食べきることができない。ご覧の画像のみかんは一部に過ぎない。

その上、1つのお隣さんは自分の田舎で獲れるものに加え、その人の親戚からもらったみかんまでおすそ分けしてくれるのだ。

その親戚がこれまた同じピソに住んでいるから、この建物全員がみかんのおすそ分け攻撃にあっているようなもの。

いただいたものは友人におすそ分けしたいが、大きな袋に入れて持って出ると、もし玄関や道で隣人に出会ったらバレバレでやばい。

だから少量づつしか持ち出せない。友人には毎日会う訳にもいかないので、「もう夕食はみかんだけにしよう、ダイエットにもなるから」と言い聞かせてみるが…、

飽きる!

今週末はまた1袋きそうな予感。

最終的にはもったいないけど、贅沢みかん・オレンジジュースを作ることになる。

材料と作り方:

大量のみかん&オレンジ

1.いただいた果物は水でよく洗う。
2.キチンペーパーで水を拭きとる。
3.半分に切ってトレーに並べる。(我が家の食事はトレーにのせた状態でテーブル(ソファーのことも)に出すのでやたらとトレーが多く、こんなときはすごく助かっている)
4.半分になったみかんを大き目のボールの上でギュッと一握り。一握りだけがポイント!手の平に残ったみかんはそのままゴミ箱へ。
5.という具合に、全てを絞り終わるとなかなかの握力運動になる。

このようにして作られた贅沢極まりないみかん・オレンジジュースは、果物であったときとは比較にならないぐらいの速さで、消費されるのだ。



2016-11-01

サマータイム・連休・政治空白の終わり

土曜日から続いていた連休も今日が最終日。日曜日はサマータイムも終わり、一気に秋・冬らしくなったようだ。


300日以上の政治空白もようやく終わり、明日からまた同じような顔ぶれ、政策、言い訳がはじまることになる。野党も野党で、党内の亀裂が先行きを暗くしている。

それにしてもスペインの国会を見ていると、つくづく私は国会議員にはなれないと思ってしまうのだ。もし先日のような政権樹立へ向けての国会にいたのなら、殴ってしまった奴がどれほどいたことか…。

党など関係なく残念な議員たちが多すぎる。それでも手を出すようなブチ切れはなかったので、私よりは少し大人。



さて、今日11月1日は「諸聖人の日」。多くの人がご先祖様のお墓参りをする日でもある。従って、最初に書いたようにスペインでは土曜日から連休をとった家族も多いようだ。

北部のカンタブリア県では、子どもたちはまだあと5日のお休みがある。今年度からはじまったミニバカンス制度のおかげだ。

2カ月に1度、1週間のミニバカンスがある。子どもたちは嬉しいだろうが、共働き家庭や、子どもを見てもらう家族が近くにいない場合は大変極まりない。その代り夏のバカンスが短くなるのだが、それでも2カ月以上。

フランスやドイツ、北欧の国々では既に導入されているらしく、子どもたちの学力向上にもつながっているそうだ。

共働きが多いスペインで、果たして他県に於いても受け入れられるだろうか?








2016-09-27

コロンブスが危ない!

現在のカタルーニャ州議会の中で、過激なスタイルでカタルーニャ独立運動を支持する“極左党CUP”。

この程彼らからこんな提案が出された。「バルセロナのコロンブスの塔の除去」

展望台からはモンジュイックの丘から港まで、パノラマに広がる素晴らしいバルセロナの町が目に入る。塔の下には新大陸の発見に関わったさまざまな像も飾られ、バルセロナ市の観光バスのルートにも入る観光名所だ。

しかしながら、アメリカ大陸の征服を称えるようなシンボルは除去するべきだと彼らは考える。

またコロンブスの新大陸発見を記念する【イスパニアの日】10月12日は、スペインでは祝日だが、こちらも平日にすべきと主張。

とにかく可能性としては全くもって低すぎるが、バルセロナのガイドブックから観光名所が1つなくなり、祝日が1日減る日がくるかも知れない。コロンブスの卵にならなければよいのだか……




2016-09-20

出会いが少ない値下がりした食品

2週間前に買ったキャベツがまだ冷蔵庫に残っている。これ以上保存するのは危険だろうか?

とりあえず今日は餃子にしてみた。

エンパナディージャの生地を使うと、皮がちょっとパンぽくていける!


近年スペインでは家庭から出る残飯や期限切れの食料の問題が注目されている。まさに、捨てられる食品の50%が家庭から出ているのだそうだ。

フランスではスーパーから出る賞味期間が切れた食品の廃棄を禁止した法律ができたようだが、スペインのスーパーから処分される食品のパーセンテージは全体の僅か1%にも満たないのだとか。

こんな状況を背景に近年になってようやくスペインでも賞味期限が近くなってきた食品を通常より安く販売するようになった。

スペインは見栄っ張りなのか何なのか。日本のスーパーで値下がりシールが貼られた食品を見て育った私からは、正直「いまごろ」という感じ。

それでもそんなシールに出会う機会はまだまだ少ないのが現状だ。















2016-09-03

政治空白を続行する議員たち

政治空白が続くスペイン。昨日行われた2回目の首相指名投票でも過半数が得られなかったため、現在の臨時政府であるマリアノ・ラホイ首相率いるポプラル党政権は樹立しなかった。

全く進展がない。同じことを繰り返すのが好きな国だ。スペインの政界は残念過ぎる。

どこの党とは言わないが……、

どこにそんな根拠があるのか疑いたくなるぐらい、いつも上から目線の議員たち。

同じ党からは恥ずかしいぐらいの数の汚職議員が出ているにも拘わらず、マフィアのように仲間を擁護する議員たち。

公約など全く無視なのに、何故か国民からは支持される不思議な議員たち。(ここまで来ると議員の悪さより、彼らを支持する国民の酷さに呆れてしまうが……)

党内での意見が割れる中、全くまとめができないリーダーに率いられ、幼稚園児でも答えられそうな質問にもはっきり返答することさえできず、的外れの回答が目立つ議員たち。

他党からはことごとく嫌われ、政界に登場してからのアーギュメントの内容が殆ど同じで、刺激も魅力も完全に失ってしまった議員たち。

演説では怒りや不満、文句しか伝わってこない議員たち。

政治家より営業マンとしての方がよっぽど成功しているだろうと思われる、野心が見え見えの議員たち。

スペインの政治を担おうとしている議員たちの殆どが、私にはこう見える。








2016-08-31

トマティーナの優しい一面

今年も盛大にスペインのトマト祭り【トマティーナ】が開催された。準備されたトマトは昨年より10トン多い160トン。7台のトラックに積み込まれたトマトは、待ち構える22000人の参加者に向かって投げ放たれた。


今年のトマティーナは、現在スペイン社会が抱える問題に優しい一面を見せることとなった。

トマトソースメーカー【Orlando】と【NGO1キロの援助】のコラボにより、貧困リスクのある家庭へのトマト寄与キャンペーンが行われたのだ。

FBやインスタグラム、ツイッターなどのSNSを介して展開されたキャンペーンは、最終的に14000キロのトマトを寄与することができた。


2016-08-28

スペインのファンデーション事情

スペインでは日焼けに対する価値観が日本とはまるで違う。美白を目指す女子が多い日本では考えられないほど、スペイン人は日焼けが好きだ。小麦色、否それ以上黒い方が健康的でステキ♡と考えている人が多い。

肌の色に関して言えば、例えば化粧品・ファンデーション一つとっても、私はこれまでどれぐらい美容部員のおすすめで肌より濃い色を買わされたことだろうか。

首と顔の色が違う。日本なら首より顔の方が白い人を見かけるが……、スペインの場合は逆だ。

更に言うなら、化粧品コーナーの照明は色が明るく見えるように設定されている。自然の光の下では色が違う、お店で見るよりかなり濃い。

と言うわけで、美容部員と店の照明のお陰で今も机の引き出しには殆ど使っていないファンデーションが残っている。


現在使っているものは、予め買いたい色を見定めておいて、美容部員が他のお客さんに対応しているところを狙って買ったものだ。

美に関する価値観が違うと、化粧品一つ買うのも一苦労。












2016-08-27

タラソナのトマティーナ?シポテガトのお祭り

スペインでは8月半ばぐらいから全国各地でお祭りやイベントが目白押しだ。8月はただでさえバカンス気分に浮かれているのに、更なる盛り上がりを見せる。

月末もその勢いは絶えない。町や村のお祭りに輪をかけて、リゾート地のホテルやアパートメントではバカンスの"お別れパティー"的なイベントが繰り広げられている。

バレンシア・ブニョール村で開催される日本でも有名な"トマト祭り=トマティーナ"は、毎年8月の最終水曜日に行われ、今年はちょうど31日にあたる。しかし一足早く、"トマトティーナ"によく似たお祭りがサラゴサ県タラソナ村で本日行われた。

【シポテガトのお祭り】だ。

タラソナ村では8月の27日から9月の1日までがお祭り期間。その開始を告げるのがこのお祭り。

正午の鐘と共に現れるシポテガトと呼ばれるジェスター。それを待ち受けるのは足の踏み場もないほどに集まった人々だ。そしてシポテガトに向かって投げられる何トンものトマトが宙を飛ぶ。

と言っても実際のところどこに投げているのやら……まるで運動会の玉入れ状態。



このシポテガト、何やらかぶり物がちょっと不気味で怖いといのが実感だ。







2016-08-24

恐々食べる冷ややっこ

夏は日本のさっぱりした食事が恋しくなる。そうめん、ざるそば、わかめの入ったサラダ、カツオのたたき、夏野菜のカレー、梅肉ソースで食べる鱧、………、あ~切りがない!!

ところで今日、あるお店で久しぶりに柔らかいお豆腐を発見。日頃は近くのスーパーに売っている豆腐とは思えないほど硬く、そして大豆色のものを食しているので、「今日は冷ややっこ」と大喜びで手に取ると、これまたもの凄い喜びを発見。

なんと1パック1ユーロもしない。

いつものスーパーの豆腐は2,5ユーロほど.。日本食を扱うお店だとそれよりもっと高かったという記憶もある。

この違いは何!?

その上、賞味期限が長すぎる。今日は8月24日。パックの賞味期限は9月の16日。何が入っているのか、ちょっと怖い。

それでもついつい買ってしまった。2丁も。

家に着くなり早速調理。と言っても豆腐を切って、ネギと醤油、それとチューブの生姜をつけるだけ。

パックから出すと、やはり柔らか~く白い。

味はと言うと……。

えっ、大豆の味がしない。白い甘くないプリンってとこか。

それでも醤油と生姜のおかげで、冷ややっこぽくなったような気がする。


副作用がなければ、また買います♪




2016-08-19

バカンスの終わりがそろそろ

8月も半ばを過ぎ、暑さも少し和らいできたようだ。日向は暑いが、日陰や室内は結構涼しい。朝方は更に涼しい。

先々週購入した新しエアコンもやっと先週末取り付けられたが、その日以来約一週間でエアコンをつけたのは僅か2日程度。時間数にしても合計5時間にも満たないのではないだろうか。

現在スペイン内陸の田舎に帰っている友人は、朝は8℃、昼は35℃の気温差地獄と泣いていた。

日の暮れも早まって来たのがよく分かる。既に夜の9時過ぎには名残惜しい太陽が夕日となって空を染めはじめる。

あ~、バカンスもあと僅か……

クセになるこの長いバカンス制度。始まりは舞い上がるほど嬉しいが、終わりはそれ以上にきつい!




 




2016-08-14

超人ナダル!ERES NUESTRO HÉROE

連日繰り広げられる熱戦。日本人選手、スペイン人選手の活躍に目が離せないリオ・オリンピックは、既に半分の日程を終えた。

昨日はテニスシングル戦・準決勝で、日本チーム・錦織選手とスペインチーム・選手ナダル選手が、それぞれの試合で敗戦している。

ナダル選手の場合は、接戦が続き全くテレビ画面から目が離されず、夜10時に外出の予定があったが、それも変更。結果は極めて残念ではあったが、ナダル選手はその前日、ダブルとシングルの2戦をこなしているので、疲れが出て当たり前の状態だったのだろう。

それにしても超人としか言いようがない!

さて、スペインチームはこれまでのところ5つのメダルと獲得している。その中4つは女性選手によるものだ。

オリンピックに限らず、他の大会においても、最近はオシャレな女性アスリートが増え続けている。

ネイルケアは当たり前。女子体操の様にきれいにメイクしていたり、ボディピアスや舌ピアスの人もいる。タトゥーは女子男子問わず、海外選手の間では人気がある様だ。

一昔前までは、オシャレに気を使うと成果が出ないとまで信じられていたが、全く根拠のないものだったと今更ながらに思う昨今だ。


2016-08-08

高すぎるエアコンの工事代

バカンス真っ只中のスペイン。8月はやる気も何も湧かず、ただただのんびり、ダラダラ夏を満喫するのみ。もう既に私は7月から、いや6月の中旬ぐらいからすでにバカンス気分だったのだが…。

今年は息子も大きくなったこともあり、家族での大掛かりな旅行の計画もなく、私はもっぱら海岸で朝を過ごす生活。

しかし、そんな素敵なお休み生活に1つ問題が……。

先週中ごろからエアコンが故障!早速新しいものを購入するも、取り付けに来てくれるのに1週間から10日もかかるらしい。もちろん土日はカウントされない。

スペインでは、多くの家電店のエアコン取外し&取り付けの料金がかなり高い!と思う。幾つか見積もってもらったが、20~50ユーロの差はあるものの、その分サービスがプラスされたりされなかったりと、概ね相場は同じのようだ。

今回の場合、エアコンの工事代にかかる費用は、取り付けが170ユーロ、取外しに60ユーロ。合計230ユーロ。それも追加費用の要らないベーシックな費用でその金額だ。

しかし他の業者を探すのも、みんながバカンス状態の8月はかなり厳しいものがある。

そう言えば、スペインでは8月に病気をするなとよく言われる。それは医者の数やサービスまでもがお休みで少なくなるからだ。嬉しい反面、何か問題が生じると難儀な8月。

それでも毎日が土日気分なだけに、いくら暑くても許せてしまうのは私だけだろうか……















2016-06-27

スペイン再選挙結果‼ 私はこう見る

【予想外の結果】


昨日の再選挙の結果はたびたびの世論調査を裏切り、右派のポプラル党が大勝利をおさめた。

この党は、前代未聞の汚職・わいろ事件に関与している党員が極めて多い政党だ。その事件性はもはやマフィアの如くすさまじい。今回の選挙前も数回、大スキャンダルが報道された。

にも拘らず、彼らはどうして勝利したのだろうか?

【国民の怒りは爆発!なのに支持率1位】


昨年末に行われた第一回目の選挙でも、ポプラル党は支持率一位。そして今回の場合は、13も議席が増えた。

4年前の選挙で過半数を上回る勢いで政権に就いた彼らだが、緊縮政策のもと国民への負担が増大され、大多数の国民の意に沿わない法案が次々に登場したのだった。そしてその間、同党員たちは汚職・わいろのし放題。

国民の怒りは爆発し、このブログでも何度か取り上げたような多大な数のデモが繰り広げられた。

さて、そこまで国民の怒りをかってしまった党なのに、昨年12月の選挙では、議席を大幅に失うものの支持率がそれでも1位。

つまり、どんなに国民に受けの悪い政治を行ったとしても、またポプラル党員たちの悪行が連日のようにお茶の間に流れても、そんなことに関係なくこの党を支持する人たちがどれだけ多いかを、他党は気が付くべきではなかったのか?

【他党の誤算】


ポプラル党を除く有力政党3党は、ポプラル党続行をいかに阻止すべきかに動いた。互いにいがみ合い、ののしり合い、打算的な合意に辿り着いてはみたものの、ポプラル党への非難は決して忘れず、それは彼らのスローガンでもあった。

再選挙前に暴露されたさまざまなポプラル党のスキャンダルは、国民をがっかりさせる材料にはならなかった。もう慣れてしまっていたからだ。

テレビを付ければその手のニュース。早期解決されるのならば、国民の考え方も変わったことだろう。しかし何年同じ事件を扱っているのか分からないほど、解決、判決には程遠いから、うんざりしてしまう。

そんな状況下で、他党から聞かされるポプラル党への批判にどんな魅力があっただろうか?

【ポプラル党の強みはココ】


今回の結果を生み出したのはポプラル党の素晴らしい業績のせいでは決してない。ポプラル党支持者の盲目な支援と、他党の国民をうんざりさせる選挙活動にあったと言えるだろう。








2016-06-25

英国≪Brexit≫とスペイン再選挙

先日イギリスで行われたEU離脱をめぐる国民投票。僅かな差で離脱派が勝利をおさめ、イギリス本土はもとより、ヨーロッパ各国、世界的にも多大な影響が出る模様だ。

特にヨーロッパではこれに拍車をかけて、離脱する国が出てくるのではとの懸念もある。



その1つがスペインだ。

スペインは明日再選挙を控えている。

現在のところ、どの党もEUからの離脱をほのめかす者はいない。

しかし、もし離脱の国民投票が成り立つとするならば、それは明日の再選挙で左派が勝利した場合にのみ可能性が0ではなくなるだろう。

そう、スペインでは左派による離脱ムードが強いのが特徴だ。スペインの右派、例えば世論調査で投票率が最も高いと予想されているポプラル党は、全く離脱を考えておらず、むしろ危険だと警告している。

これは他の国とはちょっと違う。フランスでは極右派のル・ペン氏が自国の脱離国民投票を支持している。オランダでも極右派が離脱を訴え始めている。

一方でイタリアでは、スペインと同じようにポプリズムから生まれた≪五つ星運動党≫が離脱に賛成しているようだ。

ヨーロッパでは他にも、デンマークやチェコでもEU離脱の声が高まっている。

更には、スコットランドが新たに英国からの独立住民投票の実施を準備中とのことだ。これはスペインのカタルーニャ問題と全く同じである。

いつかしら社会の歯車が狂い、現在はその結果が出始めているかのようだ。

独立を求め、思想は更に両極端化していく。調和や協調と言う言葉に、今やレトロな響きを感じるのは私だけではないはずだ。

2016-06-22

aburridoの意味

【aburridoの意味が知りたい方は、昨日のUEF欧州選手権、対クロアチア戦のスペイン代表チームをご覧になればすぐ分かるはず。

全く退屈極まりない。こんな退屈な試合にお金を払って観戦しているファンが気の毒になるほどだ。

もうここ数年、昨日のような戦略のない試合が多すぎる。

優秀な選手が多ので、ボールを奪われることは少ないが、しかしいつになったら攻撃するのか!パスの連続。練習中のチームを見ているかのようだ。

全盛期はスピード感のある展開にワクワクしたものだ。それが一体どうしたことか?


我が家では、これはデル・ボスケ監督の無能のせいだと意見がまとまった。

ある政治家のグラフの書き方が酷すぎる‼

選挙を前に、7党が顔を合わせる討論会がTVで先日放送された。

前選挙のように、今回の選挙でも支持率が最も多いと予想されるポプラル党は、若手パブロ・カサード氏を討論会に送り出した。

が、社会支出に関しての話題で彼が提示したグラフが酷すぎるとツイッターが炎上。

今では前政権となったポプラル党が、如何に社会支出に貢献したかを言いたいのだろうが……

きれいなグラフはよく見ると数字が変。

2011年から僅か4%ほどの上昇にもかかわらず、これでは残念なほど誇張し過ぎ。その上数字から言うと、2013年は2014年より多く出費されている。

それにしても、こんなグラフを堂々とテレビで提示できる神経は見事なものだ。





2016-06-20

スペイン政治討論の最新話題候補

昨年暮れに行われた選挙で政権が成り立たなかったスペインでは、今週末の再選挙を前にどの党も選挙活動真っ只中。

有力4党は依然として、他党と連立しなければ過半数を得ることができない状態だ。

選挙にかかる莫大な費用は、まだまだ経済が安定しないスペインの財政には非常に痛い。

どうにか今度は政権が成り立つようにと、どの党も口では言っているものの、いがみ合い、短所を見つけてはここぞとばかりに追いつめる。それが現在のスペイン政治討論のメインテーマにもなってしまっているかのようだ。

『はい』『いいえ』類の質問に対しては、どの政治家もその答え方すら知らない。ダラダラと的を射ない答えが返って来る。

さて、今日発表された世論調査では前回の2位のポジションを失いかけている≪PSOE党≫。

そのリーダーのこんな様子が議論を呼んでいる。


黒人の子どもたちと握手をした彼は、その後手をおもむろに……

これでまた討論の話題が1つ増えた。






2016-06-18

心で感じるサッカー



順調な試合展開を見せているスペイン代表チーム。昨日は3対0でトルコを突き放し、決勝トーナメント進出が確定した。

そんなスペインチームを応援する一人の青年が今話題になっている。

彼はミゲルさん。生まれつき目が不自由だが、スペインチームの応援に駆けつける熱心なファンだ。

彼の胸にはこう書かれている。

“見えないけど、心で観戦してるよ”




2016-06-15

サッカー観戦で会社や学校は特別許可を出すべきか?

サッカー大国として有名なスペインは、今開催されているUEFA欧州選手権やワールドカップと言った国際試合には国全体が盛り上がる。

全盛期だった頃ほどではないものの、試合になるとバルに集い、友人が集まり、家族が一丸となって応援する光景が見られる。

先日の対チェコ戦は第一戦目にもかかわらず、期待に胸を一杯にした多くのスペイン人たちが観戦した。

テレビ放送されたこの対戦のコメンターは、以前ナショナルチームの監督を務めていたカマッチョ氏だ。そしてこのおやじ(中継のおやじも)スペインびいきがはなはだしい‼

コメンターと言うよりは、そこいらにいるうんちくの多いおやじに過ぎない。

先日の試合はスペイン時間のお昼3時に始まった。そして彼は試合前に

“サッカーはみんなが観戦できるように夜に行われるのが望ましい”
とふまえた上で、
“みんながスペインチームを応援できるように、会社や学校は特別許可を出すべきだ”

と付け加えたのだ。

そこまでしなくても、試合が進めにつれて町を行き来する人の姿が少なくなる。決勝まで進んでしまったのならば、試合時間は町で用事をしている人を見つけることは困難だ。

そしてゴールの度に、やむを得ず車で移動する人はクラクションをこれぞとばかりにならし、いたるところから歓声が沸き上がるのだから。







2016-06-10

スペイン代表チームに打撃的ニュース‼

厳重な警備体制が敷かれているフランス。今夜開幕するUEFA欧州選手権は、開幕前から海外からのウルトラスの衝突があるなど、これまでとは違ったどこか張り詰めた緊張感が漂っている。

スペインナショナルチームは、月曜日の対チェコ戦に向け調整を行っている。しかし、そんなスペインチームに衝撃的なニュースが持ち上がった。

ナショナルチームのメンバーの一人が、なんと売春及び性的暴力の事件に関わっており、現在彼の調査が進められているというのだ。

そのメンバーの一人とは、ゴールキーパーのダビッ・デ・ヘア選手。

関与は彼だけに止まらず、アスレティック・クルブ・ビルバオのムニアイン選手、レアル・マドリッドのイスコ選手も調査の対象となっている。

先日、大会前の親善試合・対グルジア戦では0-1で負けるなど、先行きがやや不安なだけに、今回のニュースは更なるマイナス材料となることは確実だ。






2016-06-08

進化するおばさん

すっかり夏気分になったスペインでは、気温がドンドン上昇している。アンダルシアのコルドバやセビージャでは、もう既に40℃近くまで達しているそうだ。

毎年気温が少しずつ高くなるのに慣れてしまったのか、30℃少しではまだ暑いと感じなくなってしまった。

昔、私がまだ小学6年生だった頃、気温が32℃で死ぬほど暑い‼と思ったが、今から考えると嘘のようだ。

或いは私が更年期にはいり、一年中体がポカポカして熱さに慣れてしまったせいなのだろうか?

年とともに体が衰えるどころか、進化しているようでなんとなく怖い‼




2016-06-05

79=5。それでは、10000000=?

裁判というものは本当に誰にでも平等に裁かれるものなのか?

グラナダに住むアレハンドロさん(24歳)は、今刑務所に行くかどうかの瀬戸際に立たされている。

彼は2010年に偽造のクレジットカードで買い物をした罪で、今5年の刑を言い渡されているのだ。

現在は結婚しお子さんもおり、全く更生した生活を送っている彼は、この家族を養うたった一人の稼ぎ手だ。

昨年恩赦申請を行っているが、数日前テレビ番組のインタビューの中で初めて却下されていたことを知らされた。、それも数か月も前に却下されていたのだ。(このことについての通知はなかったと本人は証言している)

同日、裁判所に新たに実行の中止を申請しているが、期日は、火曜日と後僅かだ。

グラナダの市長をはじめ、政治家や他県の県長までが彼を支援している。市民からの署名も240000ほど集まった。



勿論、彼のやったことは良くないことだ。しかし問題はその金額。

79ユーロ‼

そう、79ユーロ=6年の刑。

現在、賄賂や汚職の罪で刑務所に入っている政治家や企業家たちが、何千万ユーロ、何億万ユーロと、とてつもない金額、それも国民、市民の税金を使いこんでも、この79=5年の比率には全く相反する刑の重さで裁かれている。


6月7日(火曜日)
失礼いたしました。アレハンドロさんは既婚ではありません。お子さまもいないようです。だた同居されているパートナーの方がいらっしゃるだけです。
本日夕方に裁判所からの新たなニュースがなければ、刑務所に留置されるもようです。
間違った情報をお伝えいたしまして、申し訳ございませんでした。






2016-05-29

カレー味のすき焼き‼

昨晩はPK戦で終了するという、体に悪すぎるチャンピオンズリーグ決勝戦だった。

どちらのファンでもないが、どちらかと言うと若干“弱い者の味方”的な感じでアトレティコを応援していたから、尚更体に悪い。PKに持ち込まれたときは、もうテレビの画面など見れないほどだった。

兎も角試合は終わり、晴天の今日を迎えた。

今日は朝から、大学の最終テスト真っ只中の息子を図書館まで送って行き、お昼は彼の好きなカレーでも作ろうと、先日You tubeで見た≪探偵ナイトスクープ≫のカレーの隠し味やらを入れことに決めた。

隠し味とは砂糖のこと。何やらすごく美味しくなるらしい。ナイトスクープの探偵さんも動画では「あっ、うまい‼」、「うまいは、これ‼」の連発だったような気がする。

早速、砂糖を入れて作ってみたところ……

結果はこのブログのタイトルになりました。

カレー味のすき焼き

お豆腐やしらたきなども欲しくなるほど。

運よく息子は外で食べると電話をしてきたので、残ったカレーは冷凍にして少しずつ食べることに……


2016-05-28

本日のUEFAチャンピオンズリーグ戦と気の利きすぎたTシャツの話

数日前からスペインは、今日ミラノで行われるUEFAチャンピオンズリーグの話題で持ちきりだ。

レアル・マドリッド対アトレティコ・デ・マドリッドの決勝戦。スペインからファンが続々とミラノに駆けつけている。

リーグ優勝や先週行われたスペイン国王杯とは異なる盛り上がりようだ。

最多優勝のレアルが11回目のカップを勝ち取るのか、それともアトレティコのチャンピオンズリーグ初優勝となるのか。

2年前にリスボンでも同じ光景があった。延長戦であの時はレアルが優勝している。

あと数時間後。さてどうなることでしょうか?アトレティコのチャンピオンズリーグプロモーションビデオをお楽しみください。




話は変わるが、アトレティコ・デ・マドリッドと聞けば思い出すことがある。2012年のUEFAヨーロッパリーグだ。

2012年≪UEFAヨーロッパリーグ≫ではアトレティコ・デ・マドリッドとアスレティック・クルブ・ビルバオが決勝戦で戦った。結果は3対0でアトレティコが勝ったのだが……話はアトレティコについてではなく、この大会に於いて起こった気の利き過ぎて、ちょっと困った話。

実は家の息子は当時アスレティック・クルブ・ビルバオのファンだった。

この大会でアスレティック・クルブ・ビルバオはあのマンチェスター・ユナイテッドFCと戦っている。それも準々決勝前のラウンド16で。

これはアスレティック・クルブ・ビルバオファンの息子にとっては重大ニュース。勝つ勝たないは兎も角、ユナイテッドFCと対戦すること事態が重大、そして記念すべきことだったのだ。

そしてそれはアスレティック・クルブ・ビルバオにとっても同じようだったようだ。

なんとユナイテッドFC戦のためのTシャツが公式ページで販売された。

息子も当然のことながら購入を希望。

しかし販売されていることに気が付いたのは試合が既に終わっていた時点。

でもサイトではまだ販売されていたので購入。

数日後家に着いたのは、≪UEFAヨーロッパリーグ≫のTシャツだった。


ご丁寧に、“きっともう終わってしまったTシャツなどいらないだろう”との計らいをされ、値段の高いこちらのTシャツをわざわざ追加料金もなく送ってくださったのだろうが、息子の欲しかったのはこれではなく、アスレティックとユナイテッドFCのネーム入り。

いまでもあのTシャツは希少価値は凄くあると思っている。









2016-05-15

強そう?それともキモい?何このユニフォーム‼

スペインの第4リーグ“ラ・テルセーラ・ディヴィシオン”で活躍中の≪CULB DEPORTIVO PALENCIA≫が、先日来シーズンのユニフォームを紹介した。今、スペインはもとより世界中で話題を呼んでいる。




スペインサッカー界の変なユニフォームはこれだけではなかった‼ 
“ラ・セグンダ・ディヴィシオンB”に属するサラマンカの≪CD GUIJUELO≫が現在このようなユニフォームで試合に挑んでいる。


ユニフォーム全体にプリントされているのは、霜降り具合の丁度良い生ハム。


そしてこちらも現在“ラ・セグンダ・ディヴィシオンB”の≪RECREATIVO DE HUELVA≫。
シーズン 2012-2013のユニフォームはこのようなお茶目なものだった。



それ以前にもユニフォームのお尻の部分に大きくイチゴがプリントされたのを着用していたのも同チームだったような気がする。

またあの≪ATHLETIC DE BILBAO≫も長い歴史の中でこのようなユニフォームが存在した。
 

2004年度のシーズンに使用されていたものだ。さすがに巷では“ケチャップ”と呼ばれていたらしい。

最後に、2014年≪CULTURAL LEONESA≫がシーズン前の試合で数回使用したユニフォーム。

反響が大きすぎて公式ページの容量を拡大しなくてはならなかったそうだ。



2016-05-10

あるスペインボランティアの願い

シリアやアフガニスタンなどからの深刻な難民問題に於いて、根本的な解決の糸口も見つからない、或いは見つけようとしないまま、ヨーロッパはどうにかギリシャやトルコで難民を食い止めるための臨時的な対応に苦戦しているようだ。





そんな中、今日はこんなニュースが飛び込んできた。

オスマン君は、マケドニア国境近くにあるギリシャ・インドメニ村難民キャンプにいる7歳の少年。彼はアフガニスタンから家族と一緒にやって来た。脳性麻痺を患っている。

先月上記の動画がニュースで放送された。難民キャンプでは彼が必要とする医療手当などあるはずがない。状態は悪化するのみ。12キロあった体重も7キロになってしまった。

実はギリシャのインドメニやレスボス島にはスペインから多くの消防ボランティア団体が応援に参加している。オスマン君の姿を見たボランティア団体は是が非でもスペインで適切な治療が受けられるようにと行動に出たのだ。

またこのニュースが放送された翌日(ニュースは4月の下旬に放送された)、アリカンテ県にあるエルチェ市長から少年を受け入れる準備があるという申し出もあったようだ。

最終的に、今夜彼を乗せた飛行機がアテネからマドリッドにやって来る。その後救急車でバレンシアの病院で治療を受けることになるそうだ。

しかしながら消防ボランティア団体の一人はこう言う。

「オスマン君の家族も私たちボランティアもとても緊張しています。そして希望と期待で一杯です。彼がマドリッドに着けば私たちの任務は完了したことになります。しかし私たちにはインドメニ村に多くのオスマン君が今もたくさんいます。私たちの仕事はこれで終わったのではありません。」

 




2016-05-04

宿題に託されたSOS

先日アンダルシアのある村でDV被害者が保護された。

彼女は数年前から殆ど軟禁状態にあったようだ。一人での外出は禁止されていたようで、買い物、医者は必ず夫が付き添い。インターネットや携帯電話も利用できない状態だったらしい。心理的な追い込みに加え、身体的な暴力もあったようだ。

そんな彼女はある日こんな行動をとった。

8歳の子どもの宿題にSOSのメッセージを忍ばせたのだ。

「宿題を先生に渡してね。先生が隅から隅までしっかり見るように。これはとっても重要なことなのよ」と付け加えた。彼女にとって唯一残された外界との接点だったのだ。

このメッセージに気付いた担任の女性教師は学校や警察などに協力を求め、この夫婦を学校に呼び出した。そして被害者は無事に保護されたのだ。

毎年DV撲滅キャンペーンなどが繰り広げられるのだが、残念なニュースが後を絶たない。昨年2015年アンダルシアでは2100名のDV被害者が保護され、更には3300名の心理的サポートも行われた。









2016-04-30

スペイン的な距離感

早いもので、明日はもう5月。“Abril, Aguas Mil”というスペイン語の諺があるように雨が多かった4月も、今週末から随分天気が良くなった。私にとってはこれから夏が終わるまでは、“毎日がバカンス”気分になれるほど気分の良い季節がやって来る。

今年の冬は大好きなドライブも億劫になって、近くの村で開かれる土曜の朝市にも足を運ばなくなってしまっていたが、今日からまた復活となった。

久しぶりに行ってみると、途中、道には似合わないほどの大きなロータリーが出来ていた。どう考えても意味がない。人通りも少なく、車の交通量も比較的少ない。以前はロータリーなどない一本道だったのに…。更には、ロータリーと次のロータリーの距離が無さすぎる。数字の8とまではいかないが、殆ど丸メガネ状態。

スペインには時として信じられない距離感が存在する。例えばバス停間の距離。びっくりするぐらい近すぎることがある。自宅付近で言えば、徒歩5分もかからない距離にバス停が例えば4つ存在する。バスの回数が少ない時間帯などは、バスを待つ意味はただ疲れたくないだけで、時間的な意味合いが殆どない。

いやはやサービスが良すぎるのか何なのか。既に人生の半分以上をこちらで過ごしたが、それでも理解に苦しむことがまだまだスペインにはたくさんあるのだ。











2016-03-02

政治空白が続く可能性あり?

3月に入り、今スペインでは新政権発足なるかの重大な国会が開かれている。既に選挙から2カ月以上が経っている。

過半数が得られそうにない中、国会では各党が答弁を繰り返すが全くバラエティー番組でも見ているかの如く面白い。

各党は罵り合い、さまざまな形容詞が飛び交う。聞いていると結構勉強にもなる。

スペイン人は一般的にジェスチャーや顔の表現が豊かだ。それは政治家も同じで、言葉が分からなくても何が言いたいかはっきり分かるぐらい大袈裟だ。また今日は党員同士のキスまで登場した。



どの党も譲らず、どの党も国民の支持が十分に得られない。国民もまたこれまでの政治体制を変えたいとの思いがありながらも、100%支持できる党に出会えていないと言えそうだ。


☆12月の選挙後の簡単なこれまでの経緯

現在新内閣を発足させようと試みたいるのはPSOE党(中道左派)だ。この党は選挙で第2の支持率を得ている。

支持率の一番多かったポプラル党(中道右派)は過半数には至らず、連立を念頭においた話し合いが他党と進められた。彼らは過半数を獲得するには第4勢力となった同じ中道右派のシウダダーノス党と、全く政治理念の違うPSOE党の票を期待していたのであるが、再三にわたってPSOE党はそれを拒否した為、連立に向けての匙を投げる形となった。

このポプラル党の姿勢を受け、PSOE党は再度新政権発足に動き出した。彼らが過半数を獲得するには、左派との連立政権が妥当と考えるのが一般的な予想であった。それにはどうしてもちょっと過激な左派であるポデモス党と手を組む必要があった。またそれでも過半数には至らず、カタルーニャの独立を訴える左派ERCなどの支持も必要だった。

話し合いは折り合いを見せず、PSOE党はで左派グループとの話し合いを進める一方、中道右派であるシウダダーノス党とも協議が持たれた。シウダダーノス党は最初からポプラル党、PSOE党、どちらにも好意的な姿勢をとっていた為、最終的にPSOE党を協定を結ぶことになる。

しかしこの2党の協定は実に無意味なのである。

協定を結んだ2党はどちらも政治体制改革を目指すものであるのだが……

PSOE党は過半数獲得の為、PSOE党、シウダダーノス党、ポデモス党での連立を考えている。

一方シウダダーノス党は、同党、PSOE党、ポプラル党の連立を希望している。

更に、シウダダーノス党は、ポデモス党が連立に入るなら彼らは連立から退くとの見解をしており、それはポデモス党も同じであった。またPSOE党もポプラル党との連立はありえないと公言している。

それならば、なぜこの両党は手を組んだのか?


このままではベルギーの1年以上続いた政治空白を上回るかもしれない!



2016-02-04

おいしい話を断った議員

ある議員からレアル・マドリッド代表のフロレンティーノ・ペレス氏に送られた手紙。

“数日の遅れはありましたが、レアル・マドリッド対エスパニョールの試合に於きましてサンティアゴ・ベルナベウのVIP席に御招待いただきありがとうございました。政界の方々が出入りするVIP席であることはよく知っております。しかしながらありがたいことに私の上司も政界を変えようとする私たちを彼女の家に招待してくれます。

私は幼少の頃からレアル・マドリッドの大ファンです。グラスゴーで、レアルを9回目のチャンピオンリーグ優勝に導いたジダン選手(監督)のゴールは今でも忘れることができません。私にとってジダン監督のマドリッドはとても希望に満ちたものであり、その試合をVIP席で観戦できることは大変光栄なことです。

しかしながら、まさにその政治家の特権と言うやつを撲滅することが私が○○党に賛同し党員となった理由の1つであります。私はレアル・マドリッドのファンです、私はレアルを応援しに行く時は他の市民と同じようにチケットを窓口で買うでしょう。

ご厚意に熱く感謝いたします。しかし今後招待状は悉く辞退しますので送らない様にお願い申し上げます。”



photo credit: Seal. via photopin (license)

2016-02-03

清原容疑者、スペインでは……

清原容疑者逮捕のニュースを今しがた知った。

実はスペインのあるバラエティか何かの番組で清原は一度紹介されたことがある。

ダークグレーのスーツに真っ白いワイシャツ姿。

番組では彼の写真を持って

“黒人の中国人”

と紹介していた。

確かに黒いよね、清原容疑者。



2016-02-01

危険なウインナー

日本では近年、スーパーなどで異物の混入された商品が見つかる事件が少なからずと発生している。

幸いにもそういった類の事件は今のところスペインでは報告されていない。が……

実は警察から警告のツイートが!! 公園でまち針入りのウインナーがばら撒かれているそうだ。

そしてその対象は、

“ワンちゃんがウインナーを食べないようにしっかり監視してください”とのことだ。

ただ困ったことにスペインのどの公園とは指摘されていない。





2016-01-27

国会の“席順”

去年の末スペインでは選挙が行われた。あれからもう既に1カ月以上が過ぎてしまったが、未だに誰が政権を握るともなく、不安定な状況が続いている。

どの党も過半数を得られず連立を目指して話し合いが進められているが、ここ三十数年間2大政党制が続いてきたスペインでは今回の結果は全く新しい現実であり、幾つもの小規模な政党との連立を念頭に入れなければ成り立たない状況である。

或いは再選挙と言う手もあるが……

さて新議員を迎えた国会では、これまた新たな時代がやって来たと言えるだろう。

お馴染みの顔が連なるこれまでの国会とは違って、スーツ姿も数が減り、議員とは思えない議員も見かけられる。平均年齢も少し下がった様だ。日本のメディアでも取り上げられたように、国会に赤ちゃんを連れた女性議員も登場した。

議員の中には以前警察と暴力沙汰を起こした男性議員、以前テレビドラマに出ていた女優、スペインでは初めての黒人女性議員、ヘリコプターのパイロット、マクドナルドの元従業員、国会の元カメラマン、治安警察など、職業もさまざまだ。

こうして新人議員の数も増え新しい党も加わった。

そんな中先日国会での席順が発表された。

あえて“席順”と呼ばしてもらう。

なぜならこれが非常に幼稚だからである。これほど政治家が幼稚だったとは、ため息ものだ!

この“席順”はポプラル党の国会副議長によって考案されたらしい。

それがこれ。



紫が第3勢力のポデモス党。オレンジが第4勢力となったシウダダーノス党だ。

ご覧の様に、第3勢力でありながら紫は第一列目には席がなく、オレンジは随分前に出てきている。

ポデモス党は左翼政党、一方シウダダーノス党はポプラル党を支持するる中道右派だ。

これを考案したとされるポプラル党のおばさん議員が幼稚なら、これに目くじらを立てるポデモス党員も幼稚に見える。

いっそのことなら国会の“席順”は“早い者勝ち”制にすれば良いのではないか!

そうすれば誰がどれだけ政治に関心があるのかが分かると言うものだ。

国会で取り上げられるテーマによっては空席が目立つこともある。或いは大型連休やバカンス前ともなれば議員たちはスーツケースを持参し、国会が終わるや否や足早に帰って行く。

こんなことで良いの?

心配が募るばかりのスペインでありました。


2016-01-04

遂に来た!ジダンの時代

レアル・マドリッドの現監督、ラファエル・ベニテス氏が解雇される日がやって来た。

今シーズンからレアルの監督に就任したが、成績不振、選手との不仲説など、今回のレアルの対応は既に昨年11月頃から噂されていたことだ。

そしてベニテス氏の後に就任するのが、ジダン氏だ。

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彼は2001年から2006年までレアルで活躍。その後、前シーズンではアンチェロッティ監督のアシスタントコーチとして、今シーズンはレアルのBチーム、現在セグンダ・ディヴィシオンBで活躍するレアル・マドリッド・カスティージャの助監督に抜擢されたが、指導ライセンスを所有していない理由から、スペインサッカー協会から3ヶ月の活動停止処分を受けている。(この処分は、レアルが裁判に持ち込んだため、後に処分は撤回された)

昨年暮れには、既にこの話題は現実味を帯びていた。しかしながらジダン氏の就任に関しては、まだ時期ではないとの声が多かったのも確かだ。ベニテス氏の解雇は、ただただその後を受け継ぐ監督が決まるまでの時間の問題だった。

ただ、ベニテス氏の解雇を生み出したレアルのチーム内の歪みは、ベニテス氏に対するものだけではなく、代表者であるフロレンティーノ・ペレス氏への嫌がらせだという見方も強い。

さてジダン氏を迎え入れたレアルの、今後の復活はあるのだろうか?

2016-01-01

復活した音楽家たち

あけまし ておめでとうございます。

昨日は厳重な警戒態勢の中、無事に大晦日の大イベントが開催され終了した。多くの人が街に出、毎年のように大騒ぎを楽しんだ。

例年にない異例の暖かさのスペインは、お正月といった感じがしない。スキー場も雪が無く、このクリスマス休みを利用したスキー客も、今年は期待はずれだったようだ。

その一方、地中海沿岸は大変暖かく、正月早々海に入る人もいるほどだ。また昨年の暮れも、スペイン北部では、とてつもなく気温の高い日が続いた。雨も全く降らない。そのせいで、山火事が1週間以上もコントロールできなかったのは確かだが、ちょっと心配なほどの天気の良さだ。

そんな天気の良さもあって、今年のクリスマス、お正月は、ここ数年と比べると活気に満ちているように感じるのは私だけだろうか。

にも拘らず、先日あるショッピングモールに行くと、こんな署名運動がされていた。

話によると、市役所は日曜日のショップのオープンを禁止する計画があるというのだ。私のような、365日お店がオープンしている社会で育った人間からはとんでもない計画のように思えて仕方がない。

私がスペインに住み始めた頃は、もちろん日曜日に開いてるお店など全く無い状態だった。薬局でさえ、今でこそ24時間やっている薬局があるが、以前は薬でさえ日曜日に緊急で開いているところまで走らなければならなかった。

そんな不便な時代が終わったと思っていたが、またあの頃に戻ってしまうのかと残念でならない。

それとは全く逆の現象がマドリッドで起こっている。こちらは昔の方がよかったという現象。

実はこのクリスマスシーズンだけであるが、ある光景が復活したのだ。2013年に許可なしでは演奏できなくなった街角の音楽家たちである。

許可を取るには市役所のオーディションを受けなくてはならない。しかし先月の23日から今月7日まで許可なしに演奏できるのだ。その後、マドリッド市役所はこの規制を維持するか否か検討する予定だそうだ。


photo credit: <a href="http://www.flickr.com/photos/14058263@N06/15058426969">Callejeros en Santander</a> via <a href="http://photopin.com">photopin</a> <a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/">(license)</a>