2016-01-27

国会の“席順”

去年の末スペインでは選挙が行われた。あれからもう既に1カ月以上が過ぎてしまったが、未だに誰が政権を握るともなく、不安定な状況が続いている。

どの党も過半数を得られず連立を目指して話し合いが進められているが、ここ三十数年間2大政党制が続いてきたスペインでは今回の結果は全く新しい現実であり、幾つもの小規模な政党との連立を念頭に入れなければ成り立たない状況である。

或いは再選挙と言う手もあるが……

さて新議員を迎えた国会では、これまた新たな時代がやって来たと言えるだろう。

お馴染みの顔が連なるこれまでの国会とは違って、スーツ姿も数が減り、議員とは思えない議員も見かけられる。平均年齢も少し下がった様だ。日本のメディアでも取り上げられたように、国会に赤ちゃんを連れた女性議員も登場した。

議員の中には以前警察と暴力沙汰を起こした男性議員、以前テレビドラマに出ていた女優、スペインでは初めての黒人女性議員、ヘリコプターのパイロット、マクドナルドの元従業員、国会の元カメラマン、治安警察など、職業もさまざまだ。

こうして新人議員の数も増え新しい党も加わった。

そんな中先日国会での席順が発表された。

あえて“席順”と呼ばしてもらう。

なぜならこれが非常に幼稚だからである。これほど政治家が幼稚だったとは、ため息ものだ!

この“席順”はポプラル党の国会副議長によって考案されたらしい。

それがこれ。



紫が第3勢力のポデモス党。オレンジが第4勢力となったシウダダーノス党だ。

ご覧の様に、第3勢力でありながら紫は第一列目には席がなく、オレンジは随分前に出てきている。

ポデモス党は左翼政党、一方シウダダーノス党はポプラル党を支持するる中道右派だ。

これを考案したとされるポプラル党のおばさん議員が幼稚なら、これに目くじらを立てるポデモス党員も幼稚に見える。

いっそのことなら国会の“席順”は“早い者勝ち”制にすれば良いのではないか!

そうすれば誰がどれだけ政治に関心があるのかが分かると言うものだ。

国会で取り上げられるテーマによっては空席が目立つこともある。或いは大型連休やバカンス前ともなれば議員たちはスーツケースを持参し、国会が終わるや否や足早に帰って行く。

こんなことで良いの?

心配が募るばかりのスペインでありました。


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