2016-06-27

スペイン再選挙結果‼ 私はこう見る

【予想外の結果】


昨日の再選挙の結果はたびたびの世論調査を裏切り、右派のポプラル党が大勝利をおさめた。

この党は、前代未聞の汚職・わいろ事件に関与している党員が極めて多い政党だ。その事件性はもはやマフィアの如くすさまじい。今回の選挙前も数回、大スキャンダルが報道された。

にも拘らず、彼らはどうして勝利したのだろうか?

【国民の怒りは爆発!なのに支持率1位】


昨年末に行われた第一回目の選挙でも、ポプラル党は支持率一位。そして今回の場合は、13も議席が増えた。

4年前の選挙で過半数を上回る勢いで政権に就いた彼らだが、緊縮政策のもと国民への負担が増大され、大多数の国民の意に沿わない法案が次々に登場したのだった。そしてその間、同党員たちは汚職・わいろのし放題。

国民の怒りは爆発し、このブログでも何度か取り上げたような多大な数のデモが繰り広げられた。

さて、そこまで国民の怒りをかってしまった党なのに、昨年12月の選挙では、議席を大幅に失うものの支持率がそれでも1位。

つまり、どんなに国民に受けの悪い政治を行ったとしても、またポプラル党員たちの悪行が連日のようにお茶の間に流れても、そんなことに関係なくこの党を支持する人たちがどれだけ多いかを、他党は気が付くべきではなかったのか?

【他党の誤算】


ポプラル党を除く有力政党3党は、ポプラル党続行をいかに阻止すべきかに動いた。互いにいがみ合い、ののしり合い、打算的な合意に辿り着いてはみたものの、ポプラル党への非難は決して忘れず、それは彼らのスローガンでもあった。

再選挙前に暴露されたさまざまなポプラル党のスキャンダルは、国民をがっかりさせる材料にはならなかった。もう慣れてしまっていたからだ。

テレビを付ければその手のニュース。早期解決されるのならば、国民の考え方も変わったことだろう。しかし何年同じ事件を扱っているのか分からないほど、解決、判決には程遠いから、うんざりしてしまう。

そんな状況下で、他党から聞かされるポプラル党への批判にどんな魅力があっただろうか?

【ポプラル党の強みはココ】


今回の結果を生み出したのはポプラル党の素晴らしい業績のせいでは決してない。ポプラル党支持者の盲目な支援と、他党の国民をうんざりさせる選挙活動にあったと言えるだろう。








2016-06-25

英国≪Brexit≫とスペイン再選挙

先日イギリスで行われたEU離脱をめぐる国民投票。僅かな差で離脱派が勝利をおさめ、イギリス本土はもとより、ヨーロッパ各国、世界的にも多大な影響が出る模様だ。

特にヨーロッパではこれに拍車をかけて、離脱する国が出てくるのではとの懸念もある。



その1つがスペインだ。

スペインは明日再選挙を控えている。

現在のところ、どの党もEUからの離脱をほのめかす者はいない。

しかし、もし離脱の国民投票が成り立つとするならば、それは明日の再選挙で左派が勝利した場合にのみ可能性が0ではなくなるだろう。

そう、スペインでは左派による離脱ムードが強いのが特徴だ。スペインの右派、例えば世論調査で投票率が最も高いと予想されているポプラル党は、全く離脱を考えておらず、むしろ危険だと警告している。

これは他の国とはちょっと違う。フランスでは極右派のル・ペン氏が自国の脱離国民投票を支持している。オランダでも極右派が離脱を訴え始めている。

一方でイタリアでは、スペインと同じようにポプリズムから生まれた≪五つ星運動党≫が離脱に賛成しているようだ。

ヨーロッパでは他にも、デンマークやチェコでもEU離脱の声が高まっている。

更には、スコットランドが新たに英国からの独立住民投票の実施を準備中とのことだ。これはスペインのカタルーニャ問題と全く同じである。

いつかしら社会の歯車が狂い、現在はその結果が出始めているかのようだ。

独立を求め、思想は更に両極端化していく。調和や協調と言う言葉に、今やレトロな響きを感じるのは私だけではないはずだ。

2016-06-22

aburridoの意味

【aburridoの意味が知りたい方は、昨日のUEF欧州選手権、対クロアチア戦のスペイン代表チームをご覧になればすぐ分かるはず。

全く退屈極まりない。こんな退屈な試合にお金を払って観戦しているファンが気の毒になるほどだ。

もうここ数年、昨日のような戦略のない試合が多すぎる。

優秀な選手が多ので、ボールを奪われることは少ないが、しかしいつになったら攻撃するのか!パスの連続。練習中のチームを見ているかのようだ。

全盛期はスピード感のある展開にワクワクしたものだ。それが一体どうしたことか?


我が家では、これはデル・ボスケ監督の無能のせいだと意見がまとまった。

ある政治家のグラフの書き方が酷すぎる‼

選挙を前に、7党が顔を合わせる討論会がTVで先日放送された。

前選挙のように、今回の選挙でも支持率が最も多いと予想されるポプラル党は、若手パブロ・カサード氏を討論会に送り出した。

が、社会支出に関しての話題で彼が提示したグラフが酷すぎるとツイッターが炎上。

今では前政権となったポプラル党が、如何に社会支出に貢献したかを言いたいのだろうが……

きれいなグラフはよく見ると数字が変。

2011年から僅か4%ほどの上昇にもかかわらず、これでは残念なほど誇張し過ぎ。その上数字から言うと、2013年は2014年より多く出費されている。

それにしても、こんなグラフを堂々とテレビで提示できる神経は見事なものだ。





2016-06-20

スペイン政治討論の最新話題候補

昨年暮れに行われた選挙で政権が成り立たなかったスペインでは、今週末の再選挙を前にどの党も選挙活動真っ只中。

有力4党は依然として、他党と連立しなければ過半数を得ることができない状態だ。

選挙にかかる莫大な費用は、まだまだ経済が安定しないスペインの財政には非常に痛い。

どうにか今度は政権が成り立つようにと、どの党も口では言っているものの、いがみ合い、短所を見つけてはここぞとばかりに追いつめる。それが現在のスペイン政治討論のメインテーマにもなってしまっているかのようだ。

『はい』『いいえ』類の質問に対しては、どの政治家もその答え方すら知らない。ダラダラと的を射ない答えが返って来る。

さて、今日発表された世論調査では前回の2位のポジションを失いかけている≪PSOE党≫。

そのリーダーのこんな様子が議論を呼んでいる。


黒人の子どもたちと握手をした彼は、その後手をおもむろに……

これでまた討論の話題が1つ増えた。






2016-06-18

心で感じるサッカー



順調な試合展開を見せているスペイン代表チーム。昨日は3対0でトルコを突き放し、決勝トーナメント進出が確定した。

そんなスペインチームを応援する一人の青年が今話題になっている。

彼はミゲルさん。生まれつき目が不自由だが、スペインチームの応援に駆けつける熱心なファンだ。

彼の胸にはこう書かれている。

“見えないけど、心で観戦してるよ”




2016-06-15

サッカー観戦で会社や学校は特別許可を出すべきか?

サッカー大国として有名なスペインは、今開催されているUEFA欧州選手権やワールドカップと言った国際試合には国全体が盛り上がる。

全盛期だった頃ほどではないものの、試合になるとバルに集い、友人が集まり、家族が一丸となって応援する光景が見られる。

先日の対チェコ戦は第一戦目にもかかわらず、期待に胸を一杯にした多くのスペイン人たちが観戦した。

テレビ放送されたこの対戦のコメンターは、以前ナショナルチームの監督を務めていたカマッチョ氏だ。そしてこのおやじ(中継のおやじも)スペインびいきがはなはだしい‼

コメンターと言うよりは、そこいらにいるうんちくの多いおやじに過ぎない。

先日の試合はスペイン時間のお昼3時に始まった。そして彼は試合前に

“サッカーはみんなが観戦できるように夜に行われるのが望ましい”
とふまえた上で、
“みんながスペインチームを応援できるように、会社や学校は特別許可を出すべきだ”

と付け加えたのだ。

そこまでしなくても、試合が進めにつれて町を行き来する人の姿が少なくなる。決勝まで進んでしまったのならば、試合時間は町で用事をしている人を見つけることは困難だ。

そしてゴールの度に、やむを得ず車で移動する人はクラクションをこれぞとばかりにならし、いたるところから歓声が沸き上がるのだから。







2016-06-10

スペイン代表チームに打撃的ニュース‼

厳重な警備体制が敷かれているフランス。今夜開幕するUEFA欧州選手権は、開幕前から海外からのウルトラスの衝突があるなど、これまでとは違ったどこか張り詰めた緊張感が漂っている。

スペインナショナルチームは、月曜日の対チェコ戦に向け調整を行っている。しかし、そんなスペインチームに衝撃的なニュースが持ち上がった。

ナショナルチームのメンバーの一人が、なんと売春及び性的暴力の事件に関わっており、現在彼の調査が進められているというのだ。

そのメンバーの一人とは、ゴールキーパーのダビッ・デ・ヘア選手。

関与は彼だけに止まらず、アスレティック・クルブ・ビルバオのムニアイン選手、レアル・マドリッドのイスコ選手も調査の対象となっている。

先日、大会前の親善試合・対グルジア戦では0-1で負けるなど、先行きがやや不安なだけに、今回のニュースは更なるマイナス材料となることは確実だ。






2016-06-08

進化するおばさん

すっかり夏気分になったスペインでは、気温がドンドン上昇している。アンダルシアのコルドバやセビージャでは、もう既に40℃近くまで達しているそうだ。

毎年気温が少しずつ高くなるのに慣れてしまったのか、30℃少しではまだ暑いと感じなくなってしまった。

昔、私がまだ小学6年生だった頃、気温が32℃で死ぬほど暑い‼と思ったが、今から考えると嘘のようだ。

或いは私が更年期にはいり、一年中体がポカポカして熱さに慣れてしまったせいなのだろうか?

年とともに体が衰えるどころか、進化しているようでなんとなく怖い‼




2016-06-05

79=5。それでは、10000000=?

裁判というものは本当に誰にでも平等に裁かれるものなのか?

グラナダに住むアレハンドロさん(24歳)は、今刑務所に行くかどうかの瀬戸際に立たされている。

彼は2010年に偽造のクレジットカードで買い物をした罪で、今5年の刑を言い渡されているのだ。

現在は結婚しお子さんもおり、全く更生した生活を送っている彼は、この家族を養うたった一人の稼ぎ手だ。

昨年恩赦申請を行っているが、数日前テレビ番組のインタビューの中で初めて却下されていたことを知らされた。、それも数か月も前に却下されていたのだ。(このことについての通知はなかったと本人は証言している)

同日、裁判所に新たに実行の中止を申請しているが、期日は、火曜日と後僅かだ。

グラナダの市長をはじめ、政治家や他県の県長までが彼を支援している。市民からの署名も240000ほど集まった。



勿論、彼のやったことは良くないことだ。しかし問題はその金額。

79ユーロ‼

そう、79ユーロ=6年の刑。

現在、賄賂や汚職の罪で刑務所に入っている政治家や企業家たちが、何千万ユーロ、何億万ユーロと、とてつもない金額、それも国民、市民の税金を使いこんでも、この79=5年の比率には全く相反する刑の重さで裁かれている。


6月7日(火曜日)
失礼いたしました。アレハンドロさんは既婚ではありません。お子さまもいないようです。だた同居されているパートナーの方がいらっしゃるだけです。
本日夕方に裁判所からの新たなニュースがなければ、刑務所に留置されるもようです。
間違った情報をお伝えいたしまして、申し訳ございませんでした。